2020.2.4アントニーナ先生のロシア・ウクライナ情報局

皆さん、こんにちは。Здравствуйте! (ズドラーストヴィチェ! )
欧米・アジア語学センター、ロシア語講師のアントニーナです。
今日のトピックスは、「ロシア語のリーディングに慣れる」です。

日常的に話されている内容を90%理解するには、どれほどの単語数が必要か言語ごとにまとめたデータを見たことがあります。

日本語:10,000
ドイツ語、ロシア語:6,000
英語:4,000
フランス語:3,000
スペイン語、イタリア語、ポルトガル語:2,500

極端な例ですが、日本語を100語覚えきることと、スペイン語を25語覚えきるのとは、同様のレベルになります。
外国語を勉強しようとする場合、暗記して使い慣れていかなければならない単語が多いと、勉強し始めること自体が大変億劫に感じてしまいます。
ロシア語は男性、中性、女性名詞の違いや格変化、ロシア語独特の時制を覚えて行かなければなりませんので、単語数だけで言語の難易度を比較することはできませんが。
さて、世界中では一般的にロシア語はヨーロッパの中でも2番目に難しい言語であると言われてルコとは以前のブログでもお伝えしましたが、
ただそれは、ロシア語には他の言語に共通しない独特の言い回し、表現、文法に特殊なルールがあり、これに慣れ親しんだことがないがために「難しい」と考えられてしまうだけなのです。

ドイツ語の名詞には、男性、中性、女性使い分けは一貫したルールがなく、一つ一つを性に分別して覚えなければならないのはドイツ語独特の文法で、覚えるのに非常に困難をきたします。

一方、ロシア語には男性、中性、女性使い分けは語尾のアルファベットによって性が分別されているためルールに徹しているので覚えやすいのですが、ロシア語の単語ひとつひとつのアクセントの位置が非常に複雑でイレギュラーなため、「読み」のルールをを覚えるのに困難をきたします。

また、ロシア語の単語は一字ずつが長いために、スラスラと読めるようになるためには時間を要し、壁にもぶつかります。
ただ、ロシア語は「書かれてある通りに発音する」に徹していますので、発音にイレギュラーな法則は一切ありません。書かれてあるアルファベット通りに読むのが鉄則です。

英語では”Knot”という単語がありますが、“K”せずに「ノット」と発音しますね。英語はイレギュラーな綴りがたくさんあり、日本の受験テストでも落とし穴の問題として扱われています。

こんな冗談があります。「ドイツ語は書かれているように読め。フランス語は書かれていないように読め。英語は書かれているように読むな。そうすれば3言語はマスターできる」と。
ロシア語は、ドイツ語のような読みの原則ですね。

冒頭に、語彙数だけで言語の難易度比較をしてしまいましたが、どの言語にも独自性があり、単純な比較はできそうもありませんね。

以上、ロシア語は単語が長く、語彙数もありますが、暗記と反復を積み重ねるだけで読みに慣れていける言語です。表現も豊かな言語ですので、諦めずに一緒に続けていきましょう。
それでは、次回まで。До свидания! (ダスビダーニャ! それでは、また!)