2025.6.24スペイン語能力検定試験とDELE検定は違うの?それぞれについて解説

スペイン語能力試験(西検)とは?

スペイン語能力試験(西検)とは?

スペイン語能力検定(西検)は、公益財団法人日本スペイン協会が実施する、日本国内向けのスペイン語試験です。イメージとしては英語で言う英検と同じ位置付けの試験となっています。
試験の特徴としては以下となります。

  • 日本で受けられるスペイン語検定
  • 初級者から上級者まで対応
  • 日本語での指示・説明がある
  • 文法・読解力・作文力を重視

スペイン語能力検定の試験内容としては、筆記試験がメインとなり、1級のみ別途口頭試験(面接形式)が盛り込まれます。
筆記試験では主に、スペイン語の文法問題、読解問題、そして作文問題が出題されます。スペイン語の文法理解が正確に求められるため、日本人には浸しみやすい試験スタイルではありますが、日本国内に特化した形となるため、海外などでは通用しない試験ということを念頭に置いておきましょう。
実施時期と回数については、スペイン語能力検定は年に1回(主に11月)に全国各地で開催されます。英検と異なり、実施回数は年に1回と少ないため、事前のスケジュール管理が大切となります。

スペイン語技能検定(西検)のレベル目安

6級 レベル スペイン語での4技能「読む、書く、聞く、話す」の基本を理解し、日常生活において最低限の受け答えが可能。
学習範囲
  • スペイン語の授業を約50時間以上受講しているか、これに相当する学習経験を有する方が対象。
  • 文法事項の範囲は、直説法現在(ser、estar、haber[hay]、最頻出の規則動詞と不規則動詞)、所有詞前置形、指示詞を含む。
  • 語彙数:約500語
  • 数字100まで
5級 レベル スペイン語の4技能「読む、書く、聞く、話す」の基本を理解し、日常生活において平易な受け答えが可能。
学習範囲
  • スペイン語の授業を約100時間以上受講しているか、これに相当する学習経験を有する方が対象。
  • 文法事項の範囲は、直説法現在不規則、直説法過去点過去、直説法線過去、直説法現在完了、過去分詞、現在分詞、再帰動詞、gustar型動詞を含む。
  • 語彙数:約1,000語
  • 数字1万まで
4級 レベル スペイン語の4技能「読む、書く、聞く、話す」を活用し、日常生活において状況に即した受け答えが可能。
学習範囲
  • スペイン語の授業を約200時間以上受講しているか、これに相当する学習経験を有する方が対象。
  • 文法事項の範囲は、過去完了、未来、未来完了、過去未来、接続法現在、命令、受身を含む。
  • 語彙数:約1,500語
  • 数字100万まで
3級 レベル スペイン語の4技能「読む、書く、聞く、話す」を活用し、スペイン語圏で生活する中で適切な受け答えが可能。
学習範囲
  • スペイン語の授業を約300時間以上受講しているか、これに相当する学習経験を有する方が対象。
  • 文法事項の範囲は、過去未来完了、接続法現在完了、接続法過去、接続法過去完了を含む。
  • 語彙数:約2,500語
2級 レベル 社会生活の全般にわたってスペイン語を運用でき、一般的業務において活用することが可能。
学習範囲
  • スペイン語を4年以上継続的に学習し、スペイン語圏で1年程度の留学経験がある、またはこれに相当するスペイン語運用能力を有する方が対象。
  • 語彙数:約3,500語。
1級 レベル 社会生活の全般にわたってスペイン語を運用でき、専門的業務に携わることが可能。
学習範囲
  • スペイン語を5年以上継続的に学習している、または日常的にスペイン語に接し、翻訳や通訳等の経験を有する方が対象
  • 合格者は、全国通訳案内士試験の外国語筆記試験が免除
  • 詳細は全国通訳案内士試験を参照

参照(スペイン語技能検定公式ホームページ

スペイン語検定は主に文法を中心にしているため、学習範囲が限られているのが特徴です。日本人にとっては学びやすい形態とはなっていますが、言語を習得するという観点においてはスピーキングの際に足枷になってしまうこともしばしば。スピーキングがメインではなく、リーディングなどがメインで習得をしたいと考えている人にとってはおすすめの内容となっています。

DELE検定とは?


DELE (Diplomas de Español como Lengua Extranjera)検定は、スペイン政府が公式に認定する国際スペイン語能力検定試験です。先ほどのスペイン語能力試験(西検)と大きく違うのは、日本国内向けの検定試験なのか国際向けの検定試験なのかという点にあります。

DELEの特徴としては以下となります。

  • 世界で通用するスペイン語資格
  • A1〜C2までの6段階レベル(CEFR基準)
  • 試験言語はすべてスペイン語
  • 実践的なコミュニケーション能力重視

試験内容としては、リーディング(読解)、リスニング(聴解)、ライティング(作文)、スピーキング(口頭表現)の4技能が総合的に問われる内容となっています。
西検との違いとしても試験内容が大きく異なり、より実践的な内容が求められるため、英語の中で言うと、TOEICやTOEFLなどの位置付けとなります。海外の大学受験や海外赴任などではこちらのDELEが求められることが多く、規模も大きな試験であることが伺えます。

実施時期と回数に関しては、年に3回(5月・7月・11月)に実施され、試験センターによっては年に4回以上実施されることもあります。
そのため、年に何回か受けられるチャンスもあるためチャンスの幅は広がる内容となっています。

DELEの6段階のレベル目安

DELEにはA1〜C2までの6段階のレベルに分かれています。それぞれのレベルはどのような基準になっているのかを見ていきましょう!西検とは異なった基準・観点となっているので参考にしてみて下さい。

A1(入門) 即時に必要な、生活でよく使われる表現を理解し、対応することができる。ゆっくり、簡単に、対話者の協力を得ながら、個人情報や日常生活などをコミュニケーションをとりながら話したり、尋ねることができるレベル。
A2(初級) 日常で身近な表現、自分自身や家族のこと、買い物、興味のある場所、仕事など簡単な日常的事柄や、すでに経験がある事項に関して理解をし、即座に応対をすることができる。簡単な既知の内容や習慣の会話、自身の過去の出来事や身の回りで起こったことの描写など、必要に応じて表現することができるレベル。
B1(中級) 日常での身近な事柄や学習・仕事に関する既知の内容を理解することができる。大抵の状況で適した応対ができ、既知のテーマや個人的に興味があること、経験、出来事、希望、願望、計画、意見など簡単に表現することができるレベル。
B2(中上級) 複雑な内容や抽象的なテーマ、スペイン語の多様性を認識し、既知の専門的内容を理解することができる。流暢かつ自然で、聞き手に困難を与えない会話能力を持ち、明瞭かつ詳細な文章を作成し、推論的分析、ディベートなどができるレベル。
C1(上級) ある程度の幅広い分野の文章や会話を展開する中で言外の意味や、相手の態度、意図までを読み取りながら自在に言語を操り、流暢且つ臨機応変に無理なく自分の考えを表現し、社会的分野、ビジネス分野、学術的分野などいかなる分野であっても常に状況と文脈に対応した表現を使用できる。また、複雑な文章を作成したり、テキストを利用して考えをまとめ、柔軟且つ効率的に言語を運用することができるレベル。
C2(最上級) 文章の長さ、複雑さ、抽象的表現、内容への認知度に関わらず、入ってくる全ての情報を理解し、スペイン語の多様性や言外の意味などを認識し、必要に応じて推測することができる。臨機応変且つ流暢に表現し、適切に単語や文法を運用し、学術的分野またビジネス分野など高度で複雑な分野においてもニュアンスによって使い分けることができるレベル。

参照(DELE公式ホームページ

上記の通り、DELEは会話に軸を置いた基準で構成されており、西検と異なる内容となっています。基準としては、日常生活で使えるレベルはB1〜となり、ビジネスシーンなどで使えるのはB2〜となっています。
ひとまずの目標はB1またはB2に置くのが良いでしょう。

スペイン語能力検定(西検)とDELEの違いは?

スペイン語能力検定(西検)とDELEの違いは?
それぞれの試験内容と特徴がわかったところで、それぞれの比較を表にしてみましたので見ていきましょう!

比較項目 スペイン語能力検定(西検) DELE検定
主催 日本スペイン協会 スペイン政府
試験言語 日本語指示あり 全てスペイン語
レベル体系 5級〜1級 A1〜C2(CEFR基準)
試験形式 筆記+1級は口頭試験 4技能(読む・聞く・書く・話す)
実施頻度 年1回 年3〜4回
対象 日本国内向け 世界基準
試験対策 文法重視 実践コミュニケーション重視

スペイン語能力検定試験は『文法重視』『日本語サポートがある
DELE検定は『実践重視』『世界で通用する
どっちの試験を受けたらいいか悩んでいる方はここが大きな分かれ目となりますので、ここで判別してしまってもいいと思います!

どんな人におすすめの試験なの?

どんな人におすすめの試験なの?
それぞれの検定試験の違いについて理解ができたところで、それぞれの試験に向いている人はどんな人向けの内容なのかを見ていきましょう。

スペイン語能力検定がおすすめの人

スペイン語能力検定を受けるにあたっておすすめの人はまず、「日本国内でのキャリアアップを考えている人」と言えるでしょう。大前提として、他国では通用しない試験となっているため、あくまでも日本国内向けの試験となります。他には文法力や読解力を重点的に伸ばしたい方、日本語の説明があると安心な方となるため、ライトに始めたいと言う方にはおすすめの巣圏となっています。

DELE検定がおすすめの人

DELE検定を受けるにあたっておすすめの人は、グローバルな環境での留学や就職を目指す方、海外で通用するスペイン語資格が欲しい方、実践的にスペイン語を使っていきたい方ということになります。DELE検定は世界で通用する試験となっているため、より実践的な生きたスペイン語を習得することができ、日常生活やビジネスのシーンでも幅広く使うことができる内容となっています。より本格的にスペイン語を学びたい!と言う方にはおすすめの試験となっています。

ダブル受験という選択肢も

西検とDELEをダブルで受験するという考えもあります。まずはスペイン語ってどんな言語なのかを自習で学習する上で文法面に特化した西検を通して学ぶのが良いですが、西検では実践的な生きたスペイン語を学ぶことには向いていないことになります。
スペイン語の大枠の形を学ぶまでが西検、そこから先の実践的なスペイン語に関してはDELEという形で棲み分けをするのも一つでしょう。
文法から入った方が良い方、そうではない方がいるので、そこはどちらが自分に向いているかを考えてみると良いと思います。

まとめ

スペイン語を学ぶ上で西検とDELEの違いについては理解できたでしょうか?最近ではSIELEというオンラインに特化したスペイン語試験はありますが、まだ発足して間もないこともあり、サポート体制などは整っていない形となります。
スペイン語の試験を受験していく上で、文法面など型から入っていきたい方は「西検」。
実用的なスペイン語を習得し、ビジネスシーンや日常会話として習得していきたい方は「DELE」という形で捉えていただければと思います。

 

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この記事の執筆者

鹿島 龍太朗

高校時代はカナダの現地校で生活をし、帰国後上智大学外国語学部スペイン語学科にてスペイン語を修学。 0からスペイン語の概念や基礎文法などをその人のレベルに合わせながらお手伝いします。 初学者の方でもわかりやすいように教えることができますので、一緒に学んでいきましょう!