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2015.11.6≪第3話≫ ダビット先生のドイツ情報局 【ドイツ語ってどんな言葉?】

皆さん、Hallo!

「Hallo」って言葉は英語だと思ってる人が多いと思いますが、英語はスペルが「Hello」ですし、本場の発音はどちらかというと「ヘロー」に近いですよね?実は、ドイツ語は間違いなく「ハロー」です!文字通り「Hallo」。勘の鋭い方はもう気付いてると思いますが、ドイツ語はローマ字読みなんです!だから日本人には発音しやすいはずです。英語を先に勉強した方だと、無駄に英語っぽく柔らかく、うえうえう的に発音しようとしますが、ドイツ語ではそんな「口のヨーガ」は一切必要ありません。特に英語の「TH」の舌足らずみたいな発音がドイツ人も大の苦手で、発音が恥ずかしくて日本人のカタカナ読みと同じように「the」のことを「ザ」か「ゼ」って発音しちゃいます。…

少しの例外さえ覚えれば、アルファベット通りの読み方!

日本語にない発音は少しだけドイツ語にありますので、それだけ覚えておけば日本人にも発音がすぐできちゃうと思いますよ。発音の違いを4つの例で紹介したいと思います。ドイツ語は基本的に英語と同じアルファベットです。だけど文字が4つ多いです。それはUmlaut(ウムラウト)の「ä」「 ö」「ü」と不思議ちゃんの「ß」。実はこの点々がついてる文字はキレイな母音と多少変わります。「ä」は日本語のだらしないしゃべり方の人の「ええ、そうっすね」の「ええ」です。「あ」の口で「え」を言うイメージです。「ö」も「お」の口で「え」を言う発音です。カタカナでは残念ながらこれが表せないんですよ…あとは「ü」は日本語の「う」にとても近くてちょっと小さな「ぅ」のようなイメージです。前に都内のある駅で「Lunch Menu」にカッコつけたくて(?)適当に点々をつけようぜっ!て店の看板を見かけたんですが、「Lünch Menü」になってました。これでは「リュンチメンゥ」だからね・・・そしてこのベーターみたいなやつの「ß」(エスツェット)が「ス」の発音で、逆に普通の「S」がにごった「ズ」です。長年の謎、解けたでしょうか?

 

ドイツ語の発音って軍隊っぽいの?

日本人によく「ドイツ語って軍隊っぽいよね」って言われることがありますが、あれは多分ヒトラー映画をイメージしすぎてると思います。イマドキはとても優しい言葉になってます。以前はあの邪悪な喉の音の「R」のせいであんな怖い言葉になっていた部分もあると個人的に思います。でも、ドイツ語の外来語として日本語でも使われてる「Arbeit」=「アルバイト」は今ドイツでは発音が「アーバイトゥ」で、「カルテ」も「カーテ」で、Rの発音は(少なくとも母音の後)あんまりしません。ちなみに余談ですが、アルバイトはドイツ語では仕事で、逆にバイトの意味を持つのは英語のジョブです。

 

ドイツ人はドイツ語を「Die Sprache der Dichter und Denker=詩人と思想家の言葉」と呼び誇りを持っている。

ドイツ人はドイツ語を「Die Sprache der Dichter und Denker=詩人と思想家の言葉」といい誇りに思っています。ドイツ語は実は表現がとても豊かな言葉で、言外の意味を読み取ることも多くできます。上手い人のフレーズは、文系には「もうなんて神な言い回しだ」ってドキドキが止まらないもんです!!それと哲学者を多く生み出したのもドイツ語という言葉自体が関係してるかもしれません!言葉がとても細かく、マイクロ刻みのディテールまでいろいろ言い表せるので、ドイツ人は基本的に考えすぎるんです。日本語にない仮定法では、もしもこうなった場合どーのこーのや、もしあのときこうなっていたならば〜という様な、現実にも起こっていないことを表す文法まで用意されています!文系はまたドキドキしてきましたね!!ドイツ語を勉強したい方はここで「あれ?そんなはずが・・・そんな難しいなんて」って引いちゃいそうですが、壁は乗り越えられるのもドイツの歴史では証明されていますからね!言葉の壁も、頑張って乗り越えましょう!

 

とにかく長いドイツ語!複合名詞の解体がポイント!

ドイツ語の特徴はもう一つありました:単語がとにかく長い!Twitterのような文字制限のあるツールがドイツ語不向きで利用者は国際比較でとても少ないのも当然。残念なことにドイツ人はそこで言いたいことが言い切れません。なぜそんなに単語が長いのかというと、複合名詞があるからです!漢字の熟語と同じです。一般的な言葉で説明すると例えば「冷蔵庫」が「Kühlschrank」ですが、「Kühl」が「冷たい」で「Schrank」が「タンス・棚」です。通りで「冷棚」が「冷蔵庫」です。「Wachsmalfarben」のような言葉は「クレヨン」ですが、「蝋描色」を組み合わせて作られた言葉です。もちろん勉強するときは一個ずつの意味をいちいち覚えませんが、ドイツ語上達して、こうなってたんだ〜と気付いたときは、ほ〜なるほど体験ですね!
誰でも自由に言葉をくっつけて新しい言葉を生み出すことができます!日本と同じくドイツ語圏も毎年「今年の流行語」をやってます。今年の候補は例えば「Intelligenzflüchtling」=「知能難民」(=難民問題に関連して、インターネットで根拠のないヘイトスピーチをする頭の悪い人のこと)や健康ブームにのっかって「Hopfensmoothie」=「ホップスムージー」=ビールですね!
そんな意外に遊べる言葉のドイツ語でした!
Bis nächste Woche(また来週!)

 

ダビッド講師宅の地下室で見つけた、第二次世界大戦時のおじいちゃんのメモや本が入った箱

自宅の地下室で見つけた、第二次世界大戦時のおじいちゃんのメモや本が入った箱です!

 

ドイツ語講師:レンメル ダビッド ナタナエル

ドイツ語講師 筆者 ダビッド