2025.6.26韓国語能力試験とハングル検定は違うの?それぞれについて解説!

韓国語の勉強を始めてしばらく経つと、「そろそろ自分の実力を試してみたいな」「資格として履歴書に書ける検定ってあるのかな?」と考える方も多いのではないでしょうか。実際、韓国語には2つの代表的な試験があります。

それが、「韓国語能力試験(TOPIK)」と「ハングル能力検定(ハングル検定)」です。

 

どちらも「韓国語の実力を測る」という点では共通していますが、試験の目的や問題形式、実施団体、難易度や用途などにさまざまな違いがあります。この記事では、両者の特徴を比較しながら、それぞれの試験がどのような方におすすめなのかをご紹介します。

韓国語能力試験(TOPIK)とは?

TOPIK(Test of Proficiency in Korean)は、韓国政府・教育部の下にある国立国際教育院(NIIED)が主催する、唯一の公式な韓国語能力試験です。韓国国内外で受験できる世界共通の試験で、主に次のような目的で利用されます。

  • 韓国の大学・大学院への留学
  • 韓国企業への就職
  • ビザ申請
  • 公的機関や企業での語学スコア証明
  • 大学の単位認定や奨学金支給

試験概要

試験は TOPIK I(初級)とTOPIK II(中上級)に分かれており、それぞれの中でさらに等級(1〜6級)が判定されます。

領域 形式 問題数 配点 配点総計
TOPIKⅠ 聞取り(40分) 4択 30 100 200
読解(60分) 4択 40 100
TOPIKⅡ 聞取り(60分) 4択 50 100 300
筆記(50分) 記述式 4 100
読解(70分) 4択 50 100

TOPIK公式ホームページより引用・作成

 

合格点 評価基準
1級 80点以上/200 日常生活に必要な基本的な語彙・文法を使って、簡単なコミュニケーションが可能。短い文章の理解と簡単な作文ができる。
2級 140点以上/200 簡単な情報交換や公共の場での基本的会話ができ、平易な文章の読解と作文が可能。
3級 120点以上/300 日常的かつ社会的な話題についてやりとりができ、ある程度複雑な構造の文章も理解・作成できる。
4級 150点以上/300 抽象的・社会的な話題にも対応可能で、詳細な内容を含む文章の理解と中級レベルの作文ができる。
5級 190点以上/300 学術・業務的な場でも通用する表現力と語彙力を有し、論理的な口頭・書面表現が可能。
6級 230点以上/300 専門的で抽象的な内容を含む複雑な文章の理解・作文が可能で、社会的・公的場面でも高度な表現力を発揮できる。

TOPIK公式ホームページより引用・作成

 

韓国語を実務、留学、国際関係などの場面で使いたい人、あるいは韓国での生活や進学を考えている人にとって、TOPIKは非常に実用性の高い試験です。

試験日程

日本では4月・7月・10月・11月の年4回、全国40都道府県60箇所で開催されています。試験問題はすべて韓国語のみで書かれており、日本語訳は一切ありません。

  • 受験料:TOPIK I  5,000円、TOPIK II  7,000円
  • 結果通知:試験実施後、約1ヶ月後にオンライン/郵送で発表
    (韓国語能力試験公式ホームページ参照 https://www.kref.or.jp/topik/

ハングル能力検定とは?

ハングル能力検定(ハン検)は、日本国内で実施されている韓国語検定試験で、日本のハングル能力検定協会が主催しています。歴史はTOPIKよりも長く、韓国語を「日本人学習者の視点」から評価することに重点が置かれています。主に次のような目的で利用されます。

  • 就職活動における語学能力の証明
  • 韓国語関連職(講師・通訳・観光ガイドなど)への就職
  • 大学における進学や修了の基準

試験概要

ハン検は初級の5級から最上級の1級まで、6段階に分かれています。
5級〜2級は日本語による設問になっているため、独学者や韓国語にまだ慣れていない学習者にも取り組みやすいのが特徴です。最高級の1級は2次試験で面接も設けられています。

レベル 領域 形式 配点 配点総計
5級 聞取り(30分) 4択 40 100
筆記(60分) 60
4級 聞取り(30分) 40 100
筆記(60分) 60
3級 聞取り(30分) 40(12点必須) 100
筆記(60分) 60(24点必須)
準2級 聞取り(30分) 40(12点必須) 100
筆記(60分) 60(30点必須)
2級 聞取り(30分) 40(16点必須) 100
筆記(80分) 60(30点必須)
1級 聞取・書取(30分) 4択・記述式 40(16点必須) 100
筆記(80分) 4択 60(30点必須)

ハングル検定公式ホームページより引用・作成

 

 

合格点 評価基準
5級 60点以上/100 ハングルの読み書きと基本語彙(約480語)を習得した初学者向けレベル。あいさつや自己紹介、簡単な質問や応答ができる。
4級 60点以上/100 約1,070語の語彙と基本文型を用いて、簡単な依頼や買い物表現、日常会話・文の読み書きができるレベル。
3級 60点以上/100 連語や慣用句も交えた実用表現ができ、日常生活や身近な社会的話題について読み書き・聞き取りができる中級レベル。
準2級 70点以上/100 ニュースや広告なども含めた実用的な韓国語を大意把握でき、ことわざや四字熟語にもある程度対応できる中上級レベル。
2級 70点以上/100 公私両面で適切な表現選択ができ、契約書や新聞記事、広告文なども理解可能な上級レベル。南北の言葉の違いにも部分的に対応。
1級 1次 70点以上/100 論説・評論など抽象的・複雑な文を理解し、要約や議論なども韓国語で高度に処理できる最上級レベル。面接含む総合的評価が求められる。
2次 S/A/B合格C/D不合格

ハングル検定公式ホームページより引用・作成

 

試験日程

ハン検は6月と11月の年2回、全国の主要都市で開催されます。日本国内の学習者向けに設計されており、日本語訳付きの問題や語句の解釈問題など、日本人が苦手としやすい部分に配慮されています。

  • 併願(例:3級と4級)が可能
  • 受験料:3,700円〜10,000円(級による)※併願の場合はより高額
  • 結果通知:試験実施後、約1ヶ月後にオンライン/郵送で発表
    (ハングル能力検定協会公式ホームページ参照 https://hangul.or.jp

あなたに合った検定は?

せっかく韓国語を学んでいるから韓国語の検定を受けてみたいなあ・・・と考えていたあなた!以上、TOPIKとハン検を比較してみましたが、どちらに関心を持たれましたか?
どの検定を受けるべきかイマイチわからないという方向けに、おすすめの検定をご紹介したいと思います。

タイプ・状況 おすすめの検定 その理由
韓国留学を検討している TOPIK 韓国の大学・大学院進学に必須
韓国語を履歴書に書ける資格にしたい TOPIK/ハン検 TOPIKは国際的、ハン検は日本国内の公的証明に強い
韓国での就職・滞在ビザを取得したい TOPIK 雇用や滞在に必要な条件として指定される場合がある
教養・趣味の延長で楽しく学びたい ハン検 日本語での出題がある
初級から段階的にレベルを測りたい ハン検 レベルごとに出題が丁寧でモチベーションを維持しやすい
今の韓国語力を総合的に把握したい TOPIK 各級ごとのスコアで詳細に実力を診断できる
韓国語の作文力を鍛えたい TOPIKⅡ/ハン検1級 作文問題のボリュームが大きい
韓国語教育を将来の職にしたい TOPIK6級/ハン検1級 高等教育機関や語学講師職では上位資格が評価されやすい

 

学習の目的やレベルに応じて、試験をうまく使い分けることが大切です。たとえば、まずハン検で初級〜中級を固めてから、TOPIK IIにチャレンジするというステップアップの方法もあります。

検定は受けてみたいけど、どの検定を受けるべきか迷っている方は、ぜひ本校の体験レッスンにてご相談ください!韓国語講師たちが丁寧かつ親身に対応いたしますので、ご安心ください。

まとめ

韓国語の学習には終わりがありませんが、試験は「目標」と「現在地」を知るための大切なツールです。自分の目的とレベルに合った試験にチャレンジして、韓国語学習をより実りあるものにしていきましょう!

この記事の執筆者

中川 咲恵

韓国ソウル出身,韓国と日本のダブル。 東京大学大学院の韓国朝鮮文化研究専攻。韓国講師歴は6年目。韓国語と日本語のバイリンガル。