2016.11.18ドイツ人の国民性 (Eri先生編)

今回は私が思っているドイツ人の国民性についてお話しさせて頂きます。

ドイツに12年在住していた時に、ドイツ人以外の外国人からよくドイツ人は冷たい、面白くないという事を頻繁に耳にしました。

自分自身もドイツに移り、初めの1,2年は冷たいなあという印象を持っていましたが、言語が理解出来るようになり、しっかりとしたコミュニケーションが取れるようになってドイツ人への印象が変わりました。

個性がある、ダイレクトに物を言うなどは海外ではよく見られる傾向なのですが、それに加えドイツ人の多くの人は一つの物、事柄に対する意見をしっかり持っていて、そしてその事について討論するのが好きです。

大学在学中よく経験したのですが、ドイツではゼミや講義の中でプレゼンする人が、自分の仲良い友達でも、そうでなくても関係なく質問し、反論があれば自分の論理で冷静に説明します。だからと言って、友達関係が悪化する事は無く、ゼミや講義の後はいつも通りに仲良く話していました。

討論好きは学校だけに限りません。プライベートな時間、カフェ、バーや居酒屋に行っても、世間話以外に国際政治の討論、社会問題、新聞の話、ある歴史の解釈の仕方など真面目な討論が繰り広げられます。

ドイツ人は論理的で一人一人が自分の哲学を持っているという事ですね。

ですが、それは他人の意見を受け入れないという事ではありません。自分の意見を持ち、それを他の人に話す事で、自分の中でもう一度確認、そして他の人の意見を聴き、それがまた違った意味で論理的であればその事について自分も感銘したり、考え直したり、他人の意見に同意出来なくてもそれと共存しようとする、といった傾向です。それと同時に深い芯をそれぞれが持っているという事です。

もちろん、全員がそうではありませんでした。自分が知りあって来た人にはそういう方々が多く、長くドイツに住んでいる外国人もこういった影響を少なからず受けています。

大学の事務やレストランバーで仕事をしている際に感じたことですが、駄目なものはだめ、決め事に関しては例外をめったに認めません。(日本だったら、単位を落としそうになると救済措置がありますが、ドイツではスコアを割ると問答無用で落第!)、仕事は自分で見つけるもの、やる時はやる。そして、会議では役職や年齢など自分の立場に囚われず、改善点、問題点を言っていく。時間になったら途中でも仕事を終えるという傾向が強かったです。

皆さんはどのようなドイツ人像をお持ちでしょうか?是非、ドイツに行って沢山のドイツ人と深くお話ししてみて下さいね。

Eri Honda

■筆者:Eri

中学卒業後、単身渡独。
持ち前のプロ精神と負けず嫌いで生徒さんを
引っ張る頼れる講師。
強い意志を持つ反面で親しみやすい明るさも
併せ持っています。