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2019.10.28アントニーナ先生のロシア・ウクライナ情報局≪第2回 ロシア語圏はこんなところ!≫

皆さん、こんにちは。Здравствуйте! (ズドラーストヴィチェ! )

欧米・アジア語学センター、ロシア語講師のアントニーナです。

今日のトピックスは、「ロシア語圏はこんなところ!」です。

私は、当時はソ連邦を成すウクライナの首都キエフで生まれ育ちましたので、ロシア語圏、とりわけウクライナとロシアについて織り交ぜてのお話をします。

ロシア語圏は、世界最大の大陸、ユーラシアに位置し、東ヨーロッパやアジア諸国と接しながら、太平洋から北極海までへも面しているため、多民族、多文化を持ち合わせています。

ロシア語圏の国や人々については何事も一括りにまとめて語ることはできず、そこには多様な思想、価値観、宗教観が根付いています。ですので、ロシア語圏全ての人々がロシア語を母国語とし、スラブ料理を食し、東方キリスト正教会に属しているとは言い切れません。

ロシア語圏や旧ソ連圏でも、例えば中央アジア地域では、ウズベク語、カザフ語、キルギス語、トルクメン語を第一母国語として郷土文化と共に生活している人々も大勢います。

また、ユーラシアは広大ですので、同じロシア語でも地域によってはとても強い方言があります。

ウクライナとロシアでは、人口の90%以上、国の資産の90% 以上が大都市に集中しているため、教育、経済、政治、文化は大都市を中心に成長している、つまり中央集権的な国です。

最近、キエフ、モスクワ、サンンクトペテルブルグに限っては、一極集中型の過密人口が問題視されてきています。何か日本にも似ていますね。

さて、日本人、とりわけご年配の方々はロシア語圏(旧ソ連諸国)に対しては冷戦時代のネガティブなイメージをまだどこかに持たれているかも知れません。

一方、ロシア語圏(旧ソ連諸国)の対日感情は、これはまたとても良好であり、何か片想いをしているようにも伺えます。特にウクライナでは、日本のODA(政府開発援助) による様々な公共施設、インフラ、チェルノブイリ基金、医療の無償資金協力を受けていることを国民が知っており、日本・ウクライナ両国の社会・経済・文化面における交流、人的交流が近年促進しています。

また、日本のポップカルチャーや日本製製品の流入により、若年層の間には、日本のモノやコトに対するポジティブなイメージが完全に出来上がっています。

前回のブログでも少し触れましたが、私がキエフで学生だった頃は、まだ日本は本当に遠い存在で、どのような国か想像もつかなかったものの、現在は様々な情報を得られるようになりましたが、日本とロシア語圏諸国は、まだ心理的にも地理的にも遠い国ですので、お互いの深い真の理解までに達するにはまだ時間がかかると思います。

みなさんがご存知の通り、ロシア語圏は、冬はどの地域も厳しい寒さです。

私の出身地キエフは、マイナス25度ほどにまで下がります。

夏の気温は30度以上にもなるとこともあり暑いのですが、乾燥しているため、心地の良い暑さです。

また、秋の期間が非常に短く、極端に言うと、「夏が終わったら冬が突然やってくる」と言った感じでしょうか。ですので「秋」はとても貴重な季節であり、「秋」をテーマにした民謡、歌、詩などが多くあります。

ロシア語圏諸国は近くて遠い国々ですが、なんとなく見えてきましたでしょうか?

次回のブログからはもっと掘り下げて絞ったテーマでお届けします。

それでは、次回まで。До свидания! (ダスビダーニャ! それでは、また!)

秋のキエフ中心

秋のキエフ中心 雪がうっすらと積もり始めました。

 

筆者:荻野アントニーナ