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2015.10.26≪第2話≫ バンダラ先生のインドネシア情報局【インドネシアについて】

皆さん、こんにちは。

今回は、私の国インドネシアについてお話しをしたいと思います。まずは、インドネシアという名称から見ていきましょう。インドネシアは、インドを意味する「Indo」、ギリシャ語の島々を意味する「nesos」、ギリシャ語の国を意味する接尾辞の「ia」の組み合わせから成り立っています。つまり、インドネシアはインド洋に浮かぶ島々を指しています。インドネシアは日本と同じく島国でその島の数は約1万7千個あります。その中で人々が住んでいるのは6千島と言われています。その島々には300以上の民族が住居しています。各民族には、文化や習慣、言語、等々が異なります。例えば、ジャワ人はジャワ語で話し、スンダ人はスンダ語で話します。そして、公用語としてインドネシア語が使われています。
皆さんはインドネシアの国の標語はご存知ですか。インドネシアの国の標語は「Bhinneka Tunggal Ika」と古いジャワ語で書かれ、意味は「多様性の中の統一」です。この言葉はまさにインドネシアを表…しているのです。歴史を辿ればそもそもインドネシアという国は存在しませんでした。存在したのはたくさんの小さな王国でした。長年に渡ってオランダに支配されていた小さな王国は、独立を手に入れるには統一することしかないと気づきました。1928年10月28日に各民族の若者たちがジャカルタで集まり「青年の誓い」を行いました。青年の誓いの内容は、「インドネシアという一つの祖国を持つこと」、「インドネシア民族という一つの民族であること」、「インドネシア語という統一言語を使用すること」です。この青年の誓いがきっかけで、違う民族であっても私たちはインドネシア人だという気持ちが高まるようになりました。
インドネシア人はインドネシア人というアイデンティティーを持ちながら民族の人というアイデンティティーを持っています。例えばお父さんとお母さんが同じ民族であれば、子供を含めて家では民族の言語で話し、民族のアイデンティティーが子供に受け継がれます。しかし子供は学校でインドネシア語を使用するので、教育を通してインドネシア人というアイデンティティーが育成されます。私の場合は、父と母は違う民族のためどちらの民族というよりか自分はインドネシア人だという気持ちの方が強いです。
このようにインドネシア人にとってみんな違うというのは当たり前のことです。私が通っていた公立学校では、様々な民族の人がいるので異文化というのは日常のことでした。肌の白い人もいれば黒い人もいました。イスラム教徒だけではなくキリスト教徒やヒンズー教などもいました。インドネシアは多様性の中の統一です。それがなければ、海で分離されている1万7千の島々が一つの国になることはないでしょう。