皆さん、Selamat siang!! (こんにちは)
島国のインドネシアでは300を超える民族が住居しています。民族によって言語をはじめ習慣、文化、価値観が異なります。地域ごとに民族が集住する傾向はありますが、移動手段が発達している現在は同じ地域に様々な民族が生活している事が一般的です。特にジャカルタ、バンドン、やスラバヤのような大都市では色々な民族が混ざり合って生活しています。例えば、私は小学校から高校までジャカルタの郊外で過ごしましたが、学校ではジャワ島のジャワ族やスンダ族はもちろんスマトラ島のパダン族やアチェ族、そしてスラウェシ島のマカサル族、バリ島のバリ族、等々のクラスメートもいました。クラスでは、民族も宗教も肌の色も違うというのは当たり前の事でした。「多様性」に慣れているインドネシア人は、「柔軟性のある」国民性と言えます。…
インドネシア人は相手を見て合わせる事には慣れています。このような特徴はインドネシア語にも現れます。インドネシア語の「人称代名詞」で1人称と3人称に比べて2人称の種類の方が多いです。よく使われている1人称のsaya(私)、3人称のdia(彼・彼女)に対して、2人称ではAnda(あなた)以外にbapak(年上の男性用)、ibu(年上の女性用)、mas(若い男性用)、mba(若い女性用)、saudara(同い年用)、等々が存在します。初めて会う人には、相手の出身地や趣味を聞く事で相手に合わせる話題を作ったりします。人と喋ることが好きなインドネシア人はできるだけ長く会話をキープするために、お互いの共通点を探って会話を続ける事が多いです。また、フレキシブルなインドネシア人は変化に対して抵抗せずに受け入れます。インドネシア語に外来語が多く見られるのはその影響があると言えるでしょう。
しかし、その柔軟性はコインと同じように表と裏があります。柔軟すぎるインドネシア人は何かを計画するのはあまり得意ではありません。その時の流れに任せる事が多く計画がコロコロ変わる事は普通です。これは個人レベルの事だけではなく政府レベルでもよくある事です。例えば、数ヶ月前はAという手続きをするためにBという書類を提出すればよかったのに今はC、Dという書類を出さないとAという手続きができなくなります。私が一番実感しているのは、日本人と一緒に旅行に行く時は事前にどこへ行くか計画を立てるのですが、インドネシア人と一緒に旅行に行く時は、計画せずにとりあえず行ってから決める事が多いです。
柔軟性のあるものといえばゴムですよね。インドネシア語で「jam karet」という言葉がありますが直訳すると「ゴムの時間」です。つまり、時間がゴムのように伸び縮みするのです。インドネシア人は時間を守る人が少ないです。ほとんどの人は「jam karet」で待ち合わせ時間よりも15分〜1時間遅れてしまう人が多いです。ジャカルタで定番の言い訳はmacet(渋滞)です。
最後にインドネシア人とどう接したら良いかについてお話しします。柔軟性のあるインドネシア人は基本的に付き合いやすいと思います。インドネシア人と付き合う上で大切な事は「伝える」事だと思います。日本では当たり前のこと、言わなくてもわかる、遠慮で口にしない事が多いですが、インドネシアでは言わないと伝わりません。「こうして欲しい」などがあれば相手に言って伝える事が重要です。