皆さん、Selamat siang!! (こんにちは)
今日はインドネシアの宗教事情についてお話しします。まずはインドネシアの宗教の割合を見ていきましょう。2010年の国勢調査によるとインドネシアの宗教割合は、イスラム教88.18%、プロテスタント系キリスト教6.96%、カトリック系キリスト教2.9%、ヒンズー教0.72%、仏教0.05%、儒教0.13%です。現在のインドネシアの宗教は、インド、中国、アラブ、オランダ、等々からの商人の影響が大きいです。…
2〜4世紀頃にヒンズー教と仏教が入り、その影響でスマトラ島、ジャワ島、カリマンタン島にヒンズー教や仏教の王国が建設され、至るところに寺院が建てられました。多くの寺院は今でも残っており、その中で最も知られているのが世界最大級の仏教寺院のボロブドゥール寺院です。
その後14世紀にはインドやアラブの商人によってイスラム教がインドネシアに入りました。イスラム教が広まるとヒンズー教や仏教の王国が弱くなり、イスラム教の王国が建設されました。これまでヒンズー教と仏教の影響で成熟してきたインドネシアの文化はイスラム教と混ざり合う事になりました。例えば、wayangという人形を使う影絵芝居は、もともとインドから入ってきたヒンズー教・仏教の話でしたが、イスラムの話が追加されイスラムの教えの拡散手段として使われました。一方で、インドネシアの古いモスクにもヒンズー教・仏教建築の強い影響が見られます。
カトリック系のキリスト教はポルトガルの商人、そして、プロテスタント系のキリスト教はオランダの商人によってインドネシアに入りました。ポルトガルとオランダの植民地政策によってキリスト教が拡散されました。
インドネシア人の信仰の自由は、憲法によって守られています。17歳になると住民登録証(KTP)が発行されますが、その住民登録証に宗教という項目があり、国が認める6宗教の中から1つの宗教を記述する義務があります。こんな話をすると自由がないとよく言われますがこのような制度は国民を縛るためにあるのではなく、平和に暮らすために宗教による混乱を防止するためです。日本では相手の宗教を聞く習慣はありませんが、インドネシア人の間では普通に聞いたりします。小学校の時から学校で宗教の科目を受けるので誰が何教なのかわかります。相手の宗教を聞く事で相手に配慮する事ができます。
もしあなたが、インドネシアを訪れる機会があったら、日常生活の中にある宗教を実感する事ができます。たとえばイスラム教徒の多いインドネシアでは至るところにモスクがあり、お祈りの時間になるとお祈りを呼びかける「adzan」が流れます。また、キリスト教の人は日曜日になると教会へ行き、ヒンズー教徒の多いバリ島では毎日お供えを行います。各宗教のイベントはその宗教を信仰する人々を尊重するために休日になっています。モスクの隣に教会があったり隣の人が異なる宗教を信仰したりするのは珍しい事ではありません。インドネシア人に会ったときに「あなたの宗教は何ですか」と聞かれたらびっくりしないでくださいね。