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2016.1.18≪第12話≫ バンダラ先生のインドネシア情報局 【インドネシアのスポーツ事情】

皆さん、Selamat siang!! (こんにちは)

今年の大イベントといえば8月にブラジルで開催されるリオデジャネイロオリンピックですね。南米初のオリンピックで世界中の選手たちはどんな戦いを見せるのかとても楽しみです。インドネシアの選手が出る種目ではインドネシア人を、出ない種目では日本の選手を応援します。今日はインドネシアのスポーツ事情についてお話します。
インドネシアで最も人気のあるスポーツはサッカーです。インドネシア人はサッカーをするだけではなく観戦するのも好きです。都会ではスタジアムやフットサルコートでやりますが、田舎だとその辺の空き地で子供から大人までサッカーをする様子が見られます。また、インドネシアのリーグだけではなくイタリア、イギリス、スペインのリーグもテレビで生中継されます。世界的に見るとインドネシアのサッカーチームは強くありませんが、インドネシア人は弱いとか強いとかではなくサッカーが好きで楽しんでいます。あまり知られていませんが、実はインドネシア代表チームはワールドカップに出場した事があります。1938年にフランスで開催されたFIFAワールドカップでオランダの植民地だったインドネシアは東インドとして出場を果たしました。東インドチームはオランダ系の選手は多かったですがキャプテンに抜擢されたのはインドネシア出身の「Achmad Nawir」という医師です。初出場を果たした東インドは1回戦でハンガリーと対戦し、0対6で負けてしまいました。

サッカーの次に人気のあるスポーツはバドミントンです。これまでのオリンピックでインドネシア選手はバドミントンの種目で18個のメダルを取ったことがあります。私が高校生の頃は、2004年アテネオリンピックで男子シングルスの金メダルを取った「Taufik Hidayat」選手が非常に人気でした。最近は男子ダブルスの「Hendra・Ahsan」ペアとミックスダブルスの「Tontowi・Lilyana」ペアが人気です。

インドネシアでは4年毎に開催される「Pekan Olahraga Nasional (PON)」という州対抗の総合スポーツ競技大会があります。次回のPONは西ジャワ州のバンドンで2016年に開催される予定です。インドネシアの伝統的な武術はPencak Silat(プンチャック・シラット)です。基本的にプンチャック・シラットは素手、素足で攻撃を行いますが短剣や籐の棒という武器を使う場合もあります。私は小学のときに、授業の一環としてプンチャック・シラットをやっていました。
日本では高校野球をはじめ高校サッカーなど学生が活躍できるスポーツ大会はたくさんありますが、インドネシアではあまり盛んに行われていません。日本の学校ではグラウンド、体育館、プールという設備が揃っていますがインドネシアでは全部揃う学校は少ないです。私が通っていた中学校はバスケットコート2個分とフットサルコート1個分のグラウンドがあり、人気のある部活はバスケット部でしたが私はテーコンド部に入っていました。高校ではテニスコート1個分のグラウンドしかなく、様々な部活が交代して練習で使っていました。このような状況のため、学生がスポーツに打ち込む機会は少ないので才能あるスポーツ選手に成長する人は少ないと言えます。
日本人と比較したらインドネシア人はあまり運動をしません。高校まで体育の授業は週に2時間ありますが大学に入ると運動する機会がなくなります。日常生活のなかでも歩いたりする事は滅多にありません。東京で電車を利用する人は乗り換えなどで毎日数キロは歩いていると思いますが、インドネシアではバイクや車で移動する事が多いのです。私も高校を卒業してからバイクを乗るようになり、数百メートルの距離でもバイクに乗るのは当たり前でした。日本に来て、元気に山登りをしたりテニスをしたりするご年配の方を見て私は驚きました。なぜならば、インドネシアでそのような光景は見たことがないからです。インドネシアでは年をとると足腰が弱くなり、家で過ごすことが多いためスポーツどころか街中で歩くのはあまりありません。健康を維持するためには、こんな便利な世の中でも常に体を動かすことを意識することは大事だと思います。

子供達がサッカーをやっている様子

子供達がサッカーをやっている様子

州対抗総合スポーツ競技大会(PON)の開会式

州対抗総合スポーツ競技大会(PON)の開会式