2019.11.13許先生の中国情報局≪第2回 多彩多様な中国≫

みなさん、こんにちは。大家好!

欧米・アジア語学センター、中国語講師の許です。

今日のトピックは、「中国はこんなところ!」です。

中国を紹介することは簡単なことではありません。歴史を始め、文化、経済、生活などの側面からどれも大きい枠組で単に紹介するポイントを羅列するだけでも十分な量になります。それに、中国についての書籍も年々出版されており、専門的な中国学はそれらにお任せしたいと思います。

私の方からは、「多様多彩」をキーワードにして中国をみなさまにご紹介します。

まず、「多様多彩」の根本的な元は国土の広さからなります。

中国は広くて面積というとヨーロッパの総面積と比敵するぐらいと言われています。なので、中国人でも中国の各地域に行ったことがない状況は珍しくありません。留学時代に、日本人の友人と中国旅行の雑談をして私より中国のあちこちに行っているなと感心しました。

中国の地図を全般的に眺めると、鶏の形に似ていると子供の時から教わりました。故郷は以下の中国の地図にある東北地区に属しています。故郷の阜新という町は先ほどの鶏の例えで言うと、首のところにあります。これほどの面積があるため、各省間の移動にはかなり時間がかかります。例えば、故郷から中国の甘粛省の省都蘭州まで、車でおよそ22時間が必要です。電車を利用する場合は少なくとも10時間以上かかります。


阜新と蘭州の距離

そして、ご紹介したいのは中国の多様な地理環境です。全体的に見ていくと、海抜的に中国は三段階に分ける事ができます。西部は高くてチベット高原、黄土高原、青海高原、雲貴高原などがあり、中部に山があって、中部から東部までは低くて平原(東北平原、華北平原)が増えてきています。気候的に西部は日当たりが強く、乾燥している日が多いです。一方、東部は海に接しているので、潤っている天気が多いです。

中国の土地の様子

物理的な地理状況の多様性と経度、緯度、高度の差が大きいため、それぞれ地域の風土も非常に異なります。例えば、簡単に分類すると、北部は主食が小麦で南部はお米です。東北地域はお米の産地でもあるため、小麦もお米も両方主食になっています。また、旧正月では水餃子を作って新年を迎える地域がほとんどですが、水餃子を作る習慣がなくお団子を作って新年を迎える地域もあります。そして同じ食べ物でも、各地域の人たちは「おいしい」に対する認識も随分異なります。今、SNSで盛り上がっている論争の一つに「あなたにとって、食べるトーファー(豆花)は塩辛い?甘い?」というものがあります。(注:豆花とは、豆乳を凝固剤で固めたもの)塩辛いトーファーがおいしい人たちと、甘いトーファーが王道だと言っている人たちが、永遠にそれについてノリノリで言い争っています。因みに、わたくしは塩辛い派です。甘いものが好きですが、甘いトーファーは受け入れられないです。笑。

また、物理的な地理環境に富んだ国だからこそ、各地域別に方言も発達しています。方言の系統を「七大」方言に分ける方もいれば、「八大」方言に分ける方もいます。その中で一番広く話されている北方方言(北京語、東北弁)が標準語に決められているわけです。標準語が決められてから標準語普及政策も共に進められ、今日になって若者たちほとんどが標準語を話せるようになっています。

もう一つ面白い豆知識をお話します。七大方言の中で、古文に近い方言は広東語です。なので、李白、白居易などの詩人は、広東語に近い感じの方言で唐詩を詠んでいました。興味がある方は、ぜひ広東語で唐詩を詠む映像を検索してみてください。

今日のブログを通して、中国の多様性について少しイメージをしていただければと思います。しかし、地理環境にもたらされた多様性の元、歴史変遷が頻繁に繰り返す中で唯一変わっていないものがあります。それは漢字です。3500年ほど歴史を持っている漢字はずっと中国と中国人のそばに寄り添い、中国を支えてくれています。現代の中国人でも何百年前の祖先の文章や小説や古詩が読めて、古籍から先人の知恵を得たり、一緒に悲しがったり、感動したりすることができます。なんとロマンチックなことだろうと思っています。

以上は、簡単な中国のご紹介でした。また今度お会いしましょう。下次见!

中国語講師 許 家瑶

筆者・中国語講師 許 家瑶