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2019.11.18アントニーナ先生のロシア・ロシア語情報局≪ロシア・ウクライナの人々≫

皆さん、こんにちは。Здравствуйте! (ズドラーストヴィチェ! )

欧米・アジア語学センター、ロシア語講師のアントニーナです。

今日のトピックスは、「ロシア・ウクライナの人々」です。

概してロシア、ウクライナでは、時間やお金に無頓着な人が多く見られますが、行動や考え方はおおらかで、人生を楽しむことを第一優先に、仕事よりも休暇や趣味、友達とのおつきあい、家族との時間を優先する人が多数派です。
また、給料をしっかりと定期的に貯蓄に回す日本人に比べると、目の前のお金を人付き合いなどにすぐ浪費してしまう傾向にあります。「江戸っ子は宵越しの銭は持たぬ」とは、現代のロシア人やウクライナ人を指したことわざのように思えます。

また、家族との絆、親戚とのお付き合いをとても大切にします。子どもが育って独立や結婚を経ても、両親との頻繁なコミュニケーションは欠かさず、食事や週末などを一緒に過ごしたりします。親戚同士も家族同様のお付き合いが親密で、親戚一同が一つの強いコミュニティを形成しています。親子関係について日本の家庭と比較すると、子供を溺愛する親が多く、日本人からすると物質的にも精神的にも子供を甘やかしているほどに映ります。また、社会全体が子供を非常に大切にする傾向にあり、地下鉄内でも親が子に席を譲る光景はよく見られます。(地下鉄の性能が悪いため、子供が立っていると危ないとの理由もあるかも知れませんが)。子に彼氏(または彼女)ができた際は、必ず両親に紹介し、恋人も「家族の一員として受け入れてもらう」ことが、正式に付き合い始める暗黙のルールとなっています。

親戚関係に至っては、自分の叔父を「父」、叔母を「母」、姪や甥を「子」と呼び合うほど近しい関係なのです。そこには、子育て、進学、就職、結婚などの人生のイベントを通して、両親はもとより親戚も一丸となって支え合う互助精神があるからです。
このような密接な関係値は、70 年以上続いた共産主義社会と密告社会の下で生活上のさまざまな制限を受けていたため、家族、親戚、友達が一体となって助け合わなければ生活ができない、という意識から成り立ったとも言われています。

友人関係もとても親密で、常に互助精神があります。結婚して家庭を持っていても、イベント、パーティなどでお付き合いすることは日常茶飯事で、友達の家族を含めての交流も非常に積極的です。友達が病気や事故などで何かに困った時には、お金、労力などに見境無く手厚く援助し、おめでたいことがあればこの上ない大変なおもてなしで祝福してあげます。

また、ロシア人やウクライナ人の国民性は「殻は非常に固く、中は柔らかい」と言われます。これは、外見、特に初対面では非常に無愛想であるために初めは近寄りがたいのですが、一度心を開いて話せば、とても情の厚い、かけがえのない友達関係がつくりやすいという意味です。

現地に住んでいると、しょっちゅうパーティやお祝い事などイベントへのお誘いの声がかかり、パーティ三昧です。特に誕生日は老若男女を問わずに非常な大切なイベントです。遠くにいる友達の誕生日には、必ず電話で長々とお祝いを述べ、近くにいる友達の誕生日は必ずパーティへ、素敵で豪勢なプレゼントとともに、欠かさずに出席します。

人やTPO にもよりますが、誕生日のパーティがレストランで催される場合、会費や食事代は、なんと誕生日を祝われる側が全て負担をするのが原則なのです。ですので、出席者は必ず盛大なプレゼントを用意するのが原則です。パーティに誘われたら、必ずご自身の誕生日パーティにも誘ってあげるのが友達としてのマナーです。友達とのイベントにはぜひ積極的に参加し、自身から心を開く心掛けが大切とされています。

ロシア、ウクライナの人間関係はとても特徴深いので、他にも色々と書きたいのですが、続きはみなさんとお会いした際にお話ししますね。

それでは、次回まで。До свидания! (ダスビダーニャ! それでは、また!)

食卓の風景