2019.11.20許先生の中国情報局≪第3回 中国語ってどんな言語?≫

みなさん、こんにちは。大家好!

欧米・アジア語学センター、中国語講師の許です。

今日のトピックは、「中国語はどんな言語」です。

中国語を勉強し始めるにあたって、みなさんに知っておいていただきたい知識を最小限に数点に絞ってご紹介したいと思っております。

「漢語(汉语)」

以前ご紹介したように、中国は国土が広く地理環境も多様で、各地域の風土習慣も随分異なります。そして、広い国土に56の民族が住んでいてそれぞれの文化を持ち、それぞれの言語を使っています。その中で全人口の9割以上を構成する漢民族の言葉が中国語として呼ばれています。普通に「中国語(中文)」と言われる事もありますが、正式には「汉语(漢語)」と呼ばれます。

中国の民族分布図

ご覧の通りに、中国は多くの民族が混住している国なので、各民族の人たちは馴染み合ってそれぞれの文化や習慣、また言葉はお互いに影響を与え合っています。例えば、私の故郷では漢民族の他に、モンゴル族と朝鮮族も住んでいますので、少し韓国語とモンゴル語(語彙レベル)も混じっています。食生活でもキムチを作ったり、羊肉を食べたりもします。

「標準語(普通话)」

しかし、歴史変遷に連れ、「漢語」も長い年月を経て発展し、多数の方言を産み育っています。それらの方言は、大きくいって七大方言または八大方言に分けられています。前回もご紹介したように、方言の間には激しい差があります。同じ中国人でも、まるで外国人同士のように通じ合えないこともよくあります。以前、アモイに勤めていた時、銀行口座を開きに行って、銀行員は親切に方言でたくさん説明してくれたのですが、アモイの方言が全く分からなず、「すみませんが、標準語ができる方にお願いしたいのですが」と赤面で頼んだこともありました。そのような方言間の差異にもたらされた不便が多々あります。それらを無くすため、共通語が必要となります。1949年中華人民共和国が成立して以来、共通語について明確に規定され、そして共通語の普及も強く推進されました。その「共通語」は「普通话(標準語)」と呼んでおり、①北の方言を基礎方言とし、②北京語音を標準音とし、③模範的な現代口語文の著作を文法の基準とするものです。

私たちがこれから学ぶ中国語は「普通话(標準語)」です。余談ですが、標準語がこれだけ普及している中でも、完璧な標準語が話せる人たちは決して多くありません。なぜかというと、それぞれの方言に強く影響されるからです。例えば、舌を巻く「er」という発音ができない人またそういう発音習慣を持っていない人も結構います。

「漢字/簡体字(简体字)」

漢字は中国の文字で、3500年ほどの歴史を持っています。漢字の数はおよそ5万字あります。しかし、よく使用されているのは5000字です。さらに、2000字ほどを習得できたら、普通の書物に出てくる漢字のほとんどが読めるとも言われています。漢字は中国人にとっても容易に覚えられるものではありません。小学生の頃、一番記憶に残った宿題は漢字を書く練習です。毎日学校で漢字を習って、家に帰って一つの漢字を十回も二十回も書くという練習をひたすらやっていました。また、中華人民共和国が成立して以来、ずっと使われていた筆画が多い漢字(繁体字)を系統的に簡略化するなど、(それらを簡体字と呼んでいます。)文字の改革も積極的に進められました。

漢字についての豆知識を今回のブログの終わりにさせていただきます。わたしの下の名前は家瑶です。漢字の成り立ちを調べていたら、家という字の最初の意味は人と家畜が住む場所で、瑶は美しい玉(宝石)という意味です。家瑶は家にある美しい玉(宝石)という意味になり、なんとも面白い発見になりました。みなさんもぜひご自分の名前にある漢字の成り立ちを調べてみてください。

以上は今日の中国語についての簡単なご紹介でした。また今度お会いしましょう。下次见!

中国語講師 許 家瑶

筆者・中国語講師 許 家瑶