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2019.12.12アントニーナ先生のロシア・ウクライナ情報局≪ロシア・ウクライナの交通事情≫

皆さん、こんにちは。Здравствуйте! (ズドラーストヴィチェ! )

欧米・アジア語学センター、ロシア語講師のアントニーナです。

今日のトピックスは、「ロシア・ウクライナの交通事情」です。

キエフ、モスクワ、サンクトペテルブルクの地下鉄は、世界的にも有名な乗り物であることはご存知ですか?

特にキエフ、モスクワの地下鉄駅は大理石、シャンデリア、彫刻、モニュメントなどの絢爛豪華な装飾や彫刻、地下の非常に奥深くまで開通された地下鉄は「地下宮殿」とも言われ、美術館のような、とんでもない別世界です。これは冷戦時に非常事態の際に避難シェルターとしての役割をも持ち合わせていました。観光スポットとなっているのは言うまでもありません。ただ車両がやや旧型で、車内はうす暗く、時間帯によってはスリなども多い路線があるため、十分に注意する必要があります。案内標識は、多言語ではありませんので、必ずロシア語やウクライナ語を理解する必要があります。日本ほど公共交通機関が発達していないものの、都市内での移動にはとても安く便利です。

では自動車というと、やはり主要都市では大都市なりの交通量があります。日本ほど、舗装や交通標識が整備されておらず、スムーズな都市間高速移動のインフラも発達していませんので、外国人の運転はお勧めできません。マフィアがらみの当たり屋のようなドライバーや、運転マナーが悪いドライバーが多く、運転のトラブル時には外国人不利な立場に置かれます。
また、各都市内には多くの路線バスが運行しています。非常に安い運賃ですが、行き先表示や時刻表などが不明であったり、発着所を見つけるのに一苦労したりしますので、使いこなせるまでになるには、その町に十分に住み慣れてからでしょう。

タクシーもたくさん流れていて便利な交通手段なのですが、メーターが設置されていない白タクや自家用車を使ってアルバイトで働くドライバーも多いため、外国人の利用は特段の注意が必要です。また、タクシーの運転手に「この国は初めてかい?」なんて聞かれることがあります。この場合は口が裂けても絶対に「初めてです」なんて言わないでください!「10回目です」とでも言いましょう。「初めての観光客なら知らないだろう」と思われ、遠回りされることにほぼ間違いないからです。

ただ、キエフやモスクワではタクシーを専用App で呼び、乗り場、行き先、価格を事前確定し降車時に支払うのが一般化され、非常に便利で安心価格になりました。一方、流しのタクシーに乗車する客が外国人や観光客ばかりとなったところ、流しのタクシー料金は適正価格以上の法外な値段になってしまっています。タクシーへのチップは10%ほどですが、価格、サービス、接客、運転に少しでも不満がある場合は、要求されたとしても、一切、渡す必要はありません。

大陸間での移動は、長距離列車もあるのですが、やはり航空機が便利です。エアラインのネットワークは西欧のように張り巡らされており、料金もそれほどは高くはありません。

10年ほど前までは、旧ソ連製のツポレフ、イリューシンが国内線に使用されていました。旧ソ連製の航空機は非常に簡素で丈夫な造りなので、壊れにくいと評判がありましたが、人的要因による墜落事故は1990年代に頻繁に起こっていました。ただ、現在のツポレフ、イリューシンなどの航空機はウクライナ製のジェット機で、安全で快適になりました。

ロシアやウクライナへ行かれるみなさん、列車、飛行機、地下鉄も日本とは違った楽しみ方があるので、ぜひ体験してください。
それでは、次回まで。До свидания! (ダスビダーニャ! それでは、また!)
ロシアの地下鉄