皆さん、Selamat siang!! (こんにちは)
インドネシア語の学習方法のテーマは先週で終わり、今週からはインドネシア語のテキストの情報を発信していきます。今回は、私が主にレッスンで使用するテキストを紹介し、各テキストの特徴を解説します。また、それぞれのテキストはどんな目的に向いているのかもお話しします。
一つ目のテキストは、ドミニクス・バタオネ、近藤由美共著の「らくらくインドネシア語初級」です。このテキストの中身は第1部のインドネシア語の紹介と第2部のインドネシア語の初級の文法から構成されています。第2部では12章から構成され、挨拶、自己紹介、そして入門レベルから初級のレベルの文法が載っています。各章に学習する文法や表現が載っている会話または読み物があります。それらの会話・読み物は一つのストーリーになっているためインドネシア語を学習するだけではなくストーリーを楽しむことができます。このテキストの特徴は二つ挙げられます。一つ目は、説明だけではなく豊富な例文で文法が解説されているところです。特に、動詞のところでは紹介された語彙に対して例文が載っているためどのように使うかを理解しやすいです。二つ目の特徴は、練習問題が充実しているところです。穴埋め問題や選択問題だけではなくインドネシア語から日本語へ、そして日本語からインドネシア語へ訳す問題もあります。また、「ひとやすみ」というコラムがあり、インドネシアの豆知識を楽しむこともできます。さらに、付属のCDもあり、総合的にリスニング、リーディング、スピーキングと文法が学べるので様々な学習目標に合わせて使えるテキストです。コミュニケーションを中心に学習している方にもインドネシア語検定試験D・Eを目指している方にも活用できるテキストです。
二つ目のテキストは、ホラス由美子の「インドネシア語レッスン初級」です。このテキストは初級1と初級2と2冊に分かれており、初級1は入門から初級のレベル、初級2は初級から中級のレベルです。初級1のテキストは10課から構成され、アルファベットの発音で始まり、指示代名詞、人称代名詞といった基礎の文法から少しずつレベルを上げていく内容になっています。各課に文法だけではなく文型、例文と会話が載っています。このテキストの特徴は二つあると思います。一つ目は、各課の内容がまとまっているところです。その課に学習する文法のまとめがあり、そのまとめの後に詳細の解説が丁寧に書かれているので非常にわかりやすいです。二つ目の特徴は、各課に勉強する単語が「新しい単語」でリストされているところです。また、辞書代わりにインドネシア語—日本語・日本語—インドネシア語の索引も用意されています。さらに、各課の練習問題にライティングの問題だけではなくリスニングの問題もあります。このテキストは本格的に基礎からインドネシア語の文法をきちんと学習したい人に向いていると思います。
三つ目のテキストは、舟田京子の「やさしい初歩のインドネシア語」です。このテキストでは、発音編、単語編、文法と会話編と3部に分かれています。発音編ではインドネシア語のアルファベットの発音が説明され、単語編では様々なテーマで分類されている単語が紹介され、文法と会話編で入門から中級のレベルの文法が解説されています。このテキストの特徴は、一冊で入門から中級まで内容が詰まっており、例文も読み物も問題もたくさん載っているところです。中級レベルまでの接頭辞と接尾辞が載っているのでインドネシア語の全体像を知りたい初心者に向いていると思います。
今回紹介したテキストは主に初級レベルから中級レベルまでのテキストでした。本屋に行くとインドネシア語のテキストは増えてきたなと実感しますが初級~中級のテキストが多く中級~上級のテキストはあまり見かけません。中級~上級の方にインドネシアのウェブ版の新聞も良いですが壁になるのは語彙力です。そこで、私がお勧めしたいのは語彙力を増やすためにインドネシアの小学生が使っているテキストです。このサイト (http://bse.kemdikbud.go.id/buku/bukusd/)で無料公開されているので是非ダウンロードして見てみてください。目安として中級レベルは3年生のテキストを見ると良いです。
次回は、短期集中の方へお勧めのテキストを紹介する予定です。
【本日ご紹介したテキスト】
■らくらくインドネシア語初級 ドミニクス バタオネ・近藤由美
http://www.amazon.co.jp/dp/4907999003※アマゾンでは購入できないようです。
■インドネシア語レッスン初級 ホラス由美子
http://www.amazon.co.jp/dp/488319339X
■やさしい初歩のインドネシア語 舟田京子
http://www.amazon.co.jp/dp/4523510539
■インドネシアの小学生が使っているテキストリンク
http://bse.kemdikbud.go.id/buku/bukusd/
■執筆者:シャフリル バンダラ
欧米アジア語学センターインドネシア語講師
温和な性格と、感覚に頼らない論理的なレッスンで評価を頂いています。
主にビジネスレッスンを担当