海外の子育て「日本人学校」or「インターナショナルスクール」|特徴と違いを解説

子育て

2023.7.12

海外赴任や海外移住などの理由で、日本を離れて子育てをする親も増えています。 しかし、日本の教育と海外の教育とでは、違いも多く戸惑うこともあるでしょう。そして語学の習得においても、日本語と英語、現地語を習得するために、どのような学校に通わせるべきか悩んでいる親も少なくありません。 今回は、海外での学校選びとして「日本人学校」と「インターナショナルスクール」について解説していきます。 そして子供のために、親が英語などの言語を学ぶメリットについても紹介するので、気になる方は最後までチェックしてくださいね。 子供の学びの環境として、最適な場所を選べるように詳しくみていきましょう。

海外の学校選びについて

海外の学校と日本の学校は、そもそもの制度が異なります。海外赴任が決まって、子供の学校を選ばなければならないとき、日本の学校との違いに驚くことでしょう。
現地に行ってから慌てないために、日本の学校との違いや学校選びのポイントを紹介します。

日本の学校との違い

日本の学校と海外の学校では、通う年齢や年数、入学の時期も異なります。
例えば、日本の教育制度の特徴としては、「6・3・3・4制」が一般的です。これは、小中高大で学ぶ年数を表しており、そのうち小学校の6年間と中学校の3年間を合わせた9年間を「義務教育」として教育基本法に定めています。
一方、アメリカでは、国としての教育制度を定めておらず、基本的には州の専管事項とされており、現代の主流は「5・3・4制」や「4・4・4制」です。日本人からすると馴染みのない構成かもしれません。
海外では、国や地域によって教育制度は大きく異なります。もし子供が海外の学校に通うことになった場合、どの学年にあたるのか、また新しく学年が始まるタイミングや義務教育の期間はどうなるのかなど、あらかじめ調べておきましょう。

各国の教育制度比較

  日本 アメリカ 中国 オーストラリア タイ
学校年度 4月〜3月 9月〜8月 9月〜7月中旬 1月下旬(2月上旬)〜12月 5月中旬〜3月中旬
義務教育 9年間
6歳~15歳
約12年間
約6歳〜18歳
(州による)
9年間
6~15歳
約9年間
約6歳~15歳
(州による)
9年間
6〜15歳

学校選びのポイント

海外での学校選びのポイントは、使用言語、生徒の国籍、費用、帰国後の進路です。
まずは、海外移住先の使用言語が学校を選ぶ基準になります。英語や中国語、フランス語など、世界で話せる人口の多い言語が使われている場合、子供のうちに習得しておくと将来役立つ可能性が高いです。現地の学校教育をメインに、日本教育を補助的に学べるといいでしょう。
そして、学校によって生徒の国籍が違います。日本人学校は、企業の駐在員として一時的に海外に居住する際に、その子供が日本語で日本の教育を受けられる学校です。そのため、基本的には日本人が通っています。次に、インターナショナルスクールには、多国籍の子供が通っており、一般的に英語でコミュニケーションをとることが多いです。
費用の面で考えてみると、日本人学校は、一部の教師が文部科学省から派遣されているとはいえ、完全な公立ではありません。日本では無償で受けられる授業でも、海外では費用がかかる点に注意が必要です。また、インターナショナルスクールの場合は、地域の在留邦人の数によって、費用、規模、設備などが異なります。
将来日本に帰るにしても、現地に長く留まるにしても、子供にとってどんな教育方法が一番向いているのか、きちんと親子で話し合って決めることが大切です。事前に海外移住者の先輩から話を聞いたり、インターネットで情報を集めて、よく検討しましょう。

学校の種類

海外での学校選びの選択肢として、日本人学校かインターナショナルスクール、もしくは現地校と日本補習校を組み合わせるパターンが多いようです。
また、地域によって学校事情は大きく異なります。たとえば、アジアには日本人学校が多いですが、北米にはあまりありません。そのため、北米での子女教育方法は、現地の学校で英語の教育を受けつつ、日本語教育として補習授業校に通わせたり通信教育を受けさせたりするのが一般的です。
ほかにも、欧州ではインターナショナルスクールが人気ですが、現地の学校教育をメインに、日本語教育も補習的に行う家庭もあります。

日本人学校とは

日本人学校とは、海外に住む日本人の子供を対象に、日本国内の小学校・中学校と同等の教育を行う機関のことです。義務教育期間を対象としているため、基本的には中学校までしかなく、高校はありません。

日本人学校の特徴

日本人学校は、帰国後の教育や受験に対応することが目的の学校です。そのため、日本国内と同等の教育を行っていると考えていいでしょう。
日本人学校の教員は、各都道府県から志願派遣されてくる通常の教師であり、任期は3年です。授業では、日本国内において最も多く採択されているものと同じ教科書・教材が使われます。
教員は文部科学省から派遣されていますが、運営母体は現地の日本人会等であるため、学校施設の管理費などに費用がかかります。日本の公立学校のイメージを持って行くと驚くかもしれません。
また、義務教育を対象としているために、基本的には小学部と中学部しかありませんが、2011年に中国の上海にある日本人学校に初めて高等部が設置されました。
もし、海外で日本人学校に近い高校に通わせたい場合は、日本の私立学校が独自に運営している私立在外教育施設が適しているでしょう。

日本人学校のメリットデメリット

日本人学校のメリットの一つに費用が安く済むことが挙げられます。日本人学校では、授業料やバス代、昼食代などの費用がかかりますが、海外赴任の帯同家族であれば授業料が会社負担となることが多いでしょう。
また、日本人学校では日本語で会話するので、言葉が通じる環境で安心して教育を受けられます。慣れない海外生活でも、日本の学校に近い教育環境であれば、馴染みやすくストレスも溜まりにくいでしょう。日本に帰国した後も、学力の差が生まれにくく、受験や進路にもほとんど悪影響はないといえそうです。
デメリットとしては、外国語の習得には向かない点です。日本人学校でも現地の言葉を学ぶ時間があるのですが、現地校やインターナショナルスクールに比べると圧倒的に少ないです。
せっかく海外に住んでいるので、現地の言葉を習得して、日本では経験できないことをさせたい気持ちもあるでしょう。学校が終わった後で、習い事や語学スクールに通わせて、現地の人々とコミュニケーションをとる時間を設けてもいいかもしれません。

日本補習校(補習授業校)について

海外の現地校やインターナショナルスクールへ通う場合は、日本教育の場として日本語補習校(補習授業校)へも通わせるといいでしょう。
日本語補習校は基本的に土曜日の週1日授業で、日本で使われている教科書を使って国語や算数などの授業を受けることができます。
帰国後の進路選択にプラスに働くことも多く、子供にとっては、日本人の友達ができたり、現地校のストレスを発散できたりと、学習面以外でもメリットがあるようです。

インターナショナルスクールとは

海外赴任する国が欧州やアジア圏など、現地の言葉が英語でない場合は、インターナショナルスクールを選ぶ家庭も多いでしょう。
インターナショナルスクールは、外国人児童を対象とした教育施設です。 そのため、国際標準の教育が受けられるほか、国際的な教養を身につけられたり、多国籍文化を体験できたりします。 

インターナショナルスクールの特徴

ほとんどのインターナショナルスクールでは、英語で授業が行われます。そのため、英語を聞いて理解できること、英語でコミュニケーションが取れることが前提です。
ただし、小学校低学年までの入学であれば、必ずしも高い英語力を必要としない場合もあります。ESL (English as a Second Language) と呼ばれる、英語を母国語としていない生徒のためのクラスがある学校を選ぶといいでしょう。
また、日本では知識暗記型の授業が多いですが、インターナショナルスクールでは自ら考えて答えを導き出す探究型の授業が多いため、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力が鍛えられます。
基本的に、9月に新学期が始まることが多いです。日本の学校とサイクルが違う点には注意しましょう。

インターナショナルスクールのメリットデメリット

インターナショナルスクールのメリットは、多種多様な国籍の生徒がいることにより、国際性が身につくこと、言語面のサポートが手厚いこと、コミュニケーション能力が向上すること、などがあります。
将来のことを考えて現地語よりも英語を身につけさせたい場合は、インターナショナルスクールを選ぶのがおすすめです。
ただし、インターナショナルスクールに通うためには、年間200万〜300万円ほどの費用がかかるといわれているので、費用面をデメリットに感じるかもしれません。会社側からの補助がない場合は、全額自己負担となります。
さらに、インターナショナルスクールは人気が高く、編入待ちの人も多いです。希望しても必ず入学できるとは限らないので、事前に調べておく必要があります。
また、入学するために必要な語学レベルに達していないと、子供への負担がかかってしまうでしょう。学校の授業だけに頼らず、家庭でのサポートも欠かせません。

子供の英語・現地語の習得を早める方法

海外で快適な生活を送るためには、子供の英語・現地語の習得だけでなく、親の語学スキルも非常に関係してきます。
家庭でも英語や現地語で会話をすることで、子供の語学習得スピードは一気に早まるのです。
また、インターナショナルスクールに通わせる選択をした場合、親同士のコミュニケーションが求められます。親も、ある程度の英語スキルを身につけて、子供の学校生活をサポートしましょう。

場合によっては現地校の準備が必要なことも

渡航先によっては、日本人学校・インターナショナルスクール共に通学圏内にない場合も少なくありません。その時は、日本人や外国人が少ない現地校に通うことになります。現地校の子供たちは現地語で話すことが当たり前の環境で生活しており、子供たちはすぐにその環境に馴染む事が求められます。
現地校に入学する場合、一番大切なことは友達を作るためのコミュニケーション言語を学ぶ事です。その次に教科を現地語で学べる素地を養う事に重点を置きます。いずれも、すぐに身につく分野ではありませんので、早い段階から教育を受ける機会を与える事が求められます。親御さんも先生方と現地語でコミュニケーションを取るために、習得することをお勧めいたします。

海外赴任・ご家族コースのレッスンがおすすめ

本校では「海外赴任・ご家族コース」のレッスンをご用意しています。日常生活でよく使う表現や、挨拶、緊急時の対応、異文化理解などを10〜30回のレッスンにまとめました。
英語はもちろん、中国語、タイ語、フランス語など多くの語学に対応しています。実践的なレッスンを重視しているので、効率よく語学を習得できるはずです。
子育てや仕事で忙しい方でも通いやすいカリキュラムや、Webレッスンも人気があるので、まずは無料体験レッスンに参加してみませんか?

まとめ

海外での学校選びとして、「日本人学校」にするか「インターナショナルスクール」にするか、悩むことでしょう。
日本人学校は、日本と同じような授業内容なので、帰国後に子供が授業に追いつきやすいメリットがあります。
インターナショナルスクールは、日本では経験できないような多国籍の生徒と交流を深めることができます。
いずれにしても、親が英語や現地語の習得をして、子供をサポートすることが大切です。子供にとって海外での生活は貴重な経験になるので、しっかり見守ってあげましょう。

この記事の監修者プロフィール

欧米アジア語学センター編集部

ネイティブ講師を中心に、各言語100名を超える経験豊富なプロフェッショナル講師が在籍しています。 当校では、短期間で効率的に語学を習得していただく事を重視して、「わかりやすい日本語で、論理的に教える事ができる」事が講師に求められています。 特に英語以外の言語は、初めて学ぶ方が多く、習得まで与えられる時間が多くない事から必須のスキルだと考えます。また、受講者様のニーズをしっかりキャッチして、それをレッスン内容に反映する能力=コミュニケーション能力を講師に要求しています。 教授メソッドの再現性が求められる画一的・マニュアル的な大手スクールとは違う、オーダーメイドのスクールならではレッスンをご提供しております。