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海外で車を運転するには海外の免許証が必要?
海外で車を運転するには、原則として日本の運転免許証だけでは運転できません。そのため、以下の3つのいずれかの方法をとる必要があります。
①国際運転免許証を取得する
②渡航先の国で運転免許証を取得する
③日本の運転免許証を渡航先の国の運転免許証に切替える
海外に短期間滞在する場合などは、①の国際運転免許証を取得するケースがほとんどです。
また、ハワイやグアム、台湾などの一部の地域では、日本の運転免許証と翻訳証明書(翻訳文)があれば車を運転できることもあります。翻訳証明書は日本大使館や指定された団体が発行したものに限るため、渡航先の情報を調べておきましょう。
国際運転免許証とは
日本の国際運転免許証(国外運転免許証)は、ジュネーブ交通条約に基づく証明書です。日本の有効な運転免許証を所有している人なら誰でも申請できます。
ただし、ジュネーブ交通条約の締結国相互に有効であり、海外全ての国や地域で車を運転できる免許証ではないため注意しましょう。
警視庁のウェブサイトにジェネーブ条約締約国等一覧があるので、渡航先が加盟国かどうか事前にチェックしておいてください。
国際運転免許証の取得方法
国際運転免許証(国外運転免許証)は、日本の運転免許証を取得している人なら誰でも申請できます。ただし、免許停止中や失効している場合、大型特殊、小型特殊、原付、仮免許の方も手続きができません。
申請手続きは、運転免許試験場、運転免許更新センター、指定警察署などで行えます。必要書類を用意して申請するだけで取得でき、試験や講習はありません。
免許証の発行にかかる時間は、運転免許試験場や運転免許センターなら即日、警察署の場合は約2週間前後かかります。申請手数料は各都道府県によって異なりますが、2,500円程度です。
国外運転免許証の有効期間は発行日から1年間で、更新制度はありません。また、国内運転免許証が失効してしまうと国外運転免許証もその効力を失うので注意が必要です。
国際運転免許取得に必要な書類
国際運転免許証(国外運転免許証)の申請に必要な書類を説明します。
・国外運転免許証交付申請書
・国内運転免許証(有効期限内の現物)
・顔写真1枚(縦4.5cm×横3.5cm)
※パスポートと同じ規格
・海外渡航を証明するもの(パスポートなど)
・古い国外運転免許証(過去に取得した人のみ)
代理の方が申請する場合は、上記に加えて委任状と代理人の方の身分証明書が必要です。申請手数料(東京:2,350円)を払う必要があるので、お金も忘れないようにしてください。
国外運転免許証交付申請書は申請窓口に用意されています。念のため、ボールペンや印鑑などの筆記用具を用意しておくと安心です。
また、以前国際運転免許を交付された場合は返納の必要があるため、古い国際運転免許証を持っていきましょう。
海外で車を運転するときの注意点
国際運転免許証を取得しても、海外で車を運転する際には注意しなければいけない点がいくつかあります。
特に海外の交通ルールを覚えておかないと、知らないうちに交通違反をしてしまうかもしれません。罰金を支払わないといけなかったり、危険な交通事故に繋がったりするケースもあります。
ほかにも、運転するときの持ち物、いざというときの補償など、ひとつずつチェックしていきましょう。
海外の交通ルールについて調べておく
国際運転免許証の取得において、海外で車を運転するための講習や試験があるわけではないので、国によって違う交通ルールのことを自分で調べなければなりません。
【海外の交通ルールの例】
・赤信号でも右折可能(アメリカ)
・アウトバーン(高速道路)に「制限速度無制限区域」がある(ドイツ)
・渋滞時には反対車線の走行が可能(タイ)
・アルコール検知器の装備が義務付けられている(フランス)
たとえば、日本では多くが右ハンドルで、速度や距離は「km(キロメートル)」の表示が当たり前ですよね。しかしアメリカでは、左ハンドルが主流で、速度表示は「Mile(マイル)」になります。
海外では、日本で当たり前の交通ルールが通用しません。安全に運転するためにも必ず渡航先の交通ルールを確認しておきましょう。
また、当たり前ですが道路標識は国によってデザインが違い、日本語の表示もありません。「NO PARKING(駐車禁止)」や「YIELD(譲れ)」など、その国の標識の意味は勉強しておく必要があります。
海外で運転するときは日本の運転免許証も必要
海外(ジュネーブ条約加盟国)で運転するときは、日本の国内運転免許証と国際運転免許証の両方を携帯しなければいけません。
国際免許証は、いわば所持している運転免許証を翻訳したものです。日本の運転免許証とセットで提示することで運転資格が証明されます。
海外の自動車事故も補償の対象となる保険に加入
日本で加入している自動車保険は、その車自体に保険がかかっていることが多いため、海外でレンタカーなどを借りて運転した場合には使えません。
まずは自身が加入している自動車保険に、海外での他車運転危険担保特約が付帯されているか保険会社に問い合わせておく必要があります。
また、海外旅行保険にオプションで自動車運転者賠償責任担保特約(レンタカー特約)を付帯することもできます。海外で車を運転する予定がある方は事前に特約を付帯させておくのもおすすめです。
もちろん海外でレンタカーを借りる際に保険に加入することもできますが、現地語で内容を確認することになるので、語学に自信のない方はあらかじめ日本の保険に加入しておくといいでしょう。トラブルや事故が起こった際に、保険会社の日本語サポートを利用できるのもメリットです。
【海外で運転するときの保険】
自動車損害賠償保険 |
第三者(対人および対物)に対する補償 |
|
車両保険、車両盗難保険 |
車両に対する補償(免責あり) |
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搭乗者保険 |
ご自身または搭乗者に対する医療費の補償 |
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手荷物保険 |
手荷物の紛失に対する補償 |
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免責軽減制度 |
上記車両保険、車両盗難保険の免責を軽減する制度 |
自動車運転損害賠償責任特約が利用できる国やレンタカー会社が限定されていることもあります。加入する保険の内容を細かく確認しておきましょう。
海外でのレンタカーの借り方
海外でレンタカーを借りるには、事前にインターネットで予約しておくのがおすすめです。現地で直接レンタカーを申し込む方法もありますが、混んでいたり人気のない車しかなかったりするかもしれません。
また、初めて海外でレンタカーを借りる場合は、日本に代理店があるレンタカー会社を利用するといいでしょう。
レンタカーを借りる手順
ここでは、アメリカでレンタカーを借りる手順を紹介します。
①空港にあるレンタカー営業所のカウンターか、シャトルバスでカウンターへ行きます。
②カウンターで予約番号(予約確認書)を見せます。国内運転免許証、国際運転免許証、クレジットカード、パスポートもこのタイミングで提出します。
③保険やオプションを選択します。
④契約書の内容を確認、署名します。
⑤車の鍵と契約書を受け取ります。
⑥ガソリンの残量、車の傷などを確認し、計器類やワイパーなどの操作方法を確認します。
どこで返却できるかは、レンタカー会社によって異なります。返却時は、日本と同じようにガソリンを満タンにしておきましょう。
レンタカーを借りるときのポイント
事前にインターネットでレンタカーを予約していても、現地の営業所につくと店員さんがいろいろな追加オプションをすすめてきます。
必要ないと思ったら曖昧な返事はせずに、はっきり「NO」と伝えましょう。相手の言葉が聞き取れなかったら必ず聞き返し、理解した上で答えるようにしてください。
また、多くの国ではヤングドライバー料金を設けていることがあります。レンタカー利用に年齢制限があり、ヨーロッパでは25歳未満、アメリカやニュージーランドなどでは21歳未満は借りることができません。
さらにアメリカでは、21歳以上25歳未満の利用者に対し、ヤングドライバー料金を課しており、1日当たり約20〜30ドルの追加料金を請求されるでしょう。
まとめ
海外で車を運転するには、日本の国内運転免許だけでなく国際運転免許が必要です。
運転免許更新センターや指定警察署などに必要書類を持っていき申請してください。国際運転免許証を取得すれば、ジュネーブ交通条約の加盟国であればどこでも車の運転ができます。
そして、実際に海外で車を運転する前に、渡航先の交通ルールを学んでおくようにしましょう。いざというときのために保険に加入しておけば安心です。
海外でレンタカーを借りるとき、現地語を話せた方がスムーズにやりとりができます。
時間に余裕のある方は、語学スクールで交通ルールやよくつかうフレーズを学んでおくのがおすすめです。
この記事の監修者プロフィール

欧米アジア語学センター編集部
ネイティブ講師を中心に、各言語100名を超える経験豊富なプロフェッショナル講師が在籍しています。 当校では、短期間で効率的に語学を習得していただく事を重視して、「わかりやすい日本語で、論理的に教える事ができる」事が講師に求められています。 特に英語以外の言語は、初めて学ぶ方が多く、習得まで与えられる時間が多くない事から必須のスキルだと考えます。また、受講者様のニーズをしっかりキャッチして、それをレッスン内容に反映する能力=コミュニケーション能力を講師に要求しています。 教授メソッドの再現性が求められる画一的・マニュアル的な大手スクールとは違う、オーダーメイドのスクールならではレッスンをご提供しております。