中国ビザについて|ビザの種類・申請方法を解説

現在、日本人が中国に渡航する際には、ビザを申請する必要があります。(2024年1月時点) 渡航先の国や渡航目的、滞在期間などによってビザの要否・種類が異なり、申請方法にも注意が必要です。最新情報は、渡航先の国の大使館や領事館のホームページなどで確認するようにしましょう。 今回は、中国ビザの概要・種類と取得方法について解説していきます。

中国ビザの概要

そもそもビザ(査証)とは、渡航先の国へ申請し審査を経て発行される「入国許可証」のようなものです。渡航希望者の身元を事前に確認し、自国にとって安全な人物であるかなどを審査します。
日本人が海外に行く際、渡航目的や滞在日数によってはビザが免除される国が数多くあります。以前は中国へ渡航する場合も、滞在日数が15日以内であれば査証免除措置が取られていました。
しかし、新型コロナウイルスの影響もあり2020年3月10日から現在にわたり、日本国民に対する中国の査証免除措置は暫定的に停止されています。したがって、中国への渡航目的や滞在期間などから判断し、適切なビザ(査証)の取得が必要です。

中国ビザの種類

外国人は渡航目的や滞在期間により、異なる種類のビザ(査証)を取得しなければなりません。ここでは、中国ビザの代表的な種類を紹介していきます。

Zビザ(就労・短期就労)

Zビザは就労ビザなので、日本国籍の人が中国で働く場合に取得する必要があります。日本企業の駐在員などは、一般的にはZビザを取得することになるでしょう。
また、入国後に外国人工作許可証と外国人居留許可を取得しなければなりません。それぞれの申請には準備すべき書類も多く、受け入れ先の中国企業および派遣元の日本企業が相互に連絡を取り、適切に申請手続きを行うことが重要です。

Mビザ(商業貿易活動)

Mビザは中国で商務や商業貿易活動をするのに必要です。また、入国者が中国国内で活動し、対価となる給与を中国国外の企業(日本企業含む)が負担する「業務出張」などの場合に適用されます。
就労が許されるZビザとは異なり、Mビザは中国国内での就労を目的としたものではありません。そのため、技術の指導など規定の範囲内で活動するようにしましょう。

Rビザ(高度人材・専門分野人材)

中国が必要とする外国人高度人材・専門分野人材はRビザを申請します。
Rビザの場合、就業許可通知の代わりに、外国ハイレベル人材確認状およびパスポートでビザを取得しなければならなりません。また、申請者は面談を受けることになります。

Fビザ(交流・訪問・視察等)

Fビザは外国人が中国を訪問・視察・交流する場合に必要となるビザです。
中国での現地調査や市場調査など、利益を得ない対外活動を行う業務出張であれば、Fビザを取得することになります。

Lビザ(観光)

外国人が中国へ観光目的で入国するときに必要なビザです。一回の滞在期間は90日までとなります。

Xビザ(留学)

留学ビザは就学期間によって、X1ビザと、X2ビザの2つに分かれています。360日以上の留学ならX1ビザ、180日以内の短期留学ならX2ビザとなります。
ただし、滞在期間が30日以内の大学生を対象とした短期留学は、ほとんどがLビザでの留学になります。また滞在期間が90日以内の場合は、Fビザを申請することになります。

Gビザ(中国経由乗り継ぎ)

Gビザ(トランジットビザ)とは、最終的に第三国(または地区、中国台湾・香港・マカオ地区を含む)訪問で中国を途中経由する外国人に対して、中国入国時に必要なビザです。
2023年1月29日より、日本国籍者へのトランジットビザ免除措置が再開されました。有効なパスポートを所持しており、72〜144時間以内に第三国(地域)への航空便の予約が確定している場合はトランジットビザ免除処置が適用されます。

中国ビザの申請方法

中国ビザの申請方法について解説していきます。ビザの取得のためには準備する書類があり、発行までに日数を要するので早めに申請手続きを進めましょう。

必要書類

日本人が各種ビザを申請するために共通して必要な書類は下記の通りです。また、ビザの種類によって追加書類が必要になるため、該当するビザの申請書類を確認しておきましょう。

① 中华人民共和国签证申请表(オンライン記入)
② パスポート(原本及び写し)
③ 証明写真(1枚)
※5年以内にパスポートを更新していれば、古いパスポート
※18歳未満の申請者については、親権者を確認するための戸籍謄本
※申請状況により、領事官員が他の書類を追加で要求する場合がある

各種ビザ追加書類の例

【Zビザ追加書類】
・外国人就労許可通知(写し)

【Mビザ追加書類】
・中国国内企業発行招聘状

【Lビザ追加書類】
・航空券(e-チケット)控え
・ホテル予約確認書

【Xビザ追加書類】
・录取通知书(原本及び写し)
・外国留学人员来华签证申请表(JW202またはJW201)

申請の流れ

中国ビザの申請方法は、主に2パターンあります。個人申請もしくは旅行会社が代理申請する流れを確認しましょう。

個人申請

① 中国ビザオンライン予約システム(https://cova.cs.mfa.gov.cn)より、「中华人民共和国签证申请表」を記入・作成し、印刷します。申請表の第九項目と「在线填表确认页」にサインをしてください。
② ホームページより手続日の予約を行い、「签证预约确认表」を印刷します。
③ 予約日に管轄地域の中国ビザ申請サービスセンターまたは総領事館にて、申請書類を提出してください。
④ 当日は申請者の生体認証データ(10本すべての指紋)を採取します。
※日本から中国への渡航の査証(ビザ)申請に際し、生体認証データ(手指10本の全指紋)の採取は2024年12月31日まで引き続き免除されています。

免除対象となるビザの種類:M(商業・貿易)、L(観光)、Q2(親族訪問)、G(トランジット)、C(乗務員)。指紋採取免除はシングルまたはダブルビザに限られる。

旅行会社代理申請

申請者は旅行会社へビザ代行申請を提出することも可能です。旅行会社によって代理申請を依頼する方法が異なります。
まずは、管轄地域の中国ビザ申請サービスセンターまたは総領事館で登録旅行会社を確認しましょう。
例えば、「中国ビザ申請サービスセンター(東京)」で手配代行受付可能なビザ申請者の居住地域は「東京都/神奈川県/千葉県/埼玉県/群馬県/栃木県/茨城県/長野県/山梨県/静岡県」となります。

 中国ビザ申請サービスセンター(東京)に登録されている旅行代理店は下記の通りです。

名称

電話

株式会社華聯旅行社 

03-3571-1132,070-4346-2297

株式会社横滨華聯旅行社  

045-662-0157

シーアイテイーエス·ジャパン株式会社

03-6403-5666

香港中旅日本中国旅行社株式会社

03-6222-8786,080-3416-2022

中青旅日本株式会社

03-5510-9988,080-5036-9098

株式会社ジェイ·ケイ·アイ

03-4363-3187,080-5031-9015

クレーンインターナショナル株式会社 

03-3470-6851,090-4011-7545

チャイナエンタープライズ株式会社  

03-6275-2988,080-4327-0505

株式会社ハッピーワールド

03-3486-8199,03-3486-8120

日新航空サービス株式会社

03-5358-1809

長城航空サービス

03-6890-2081,03-6890-2082

オーテイーシージャパン

03-5950-7831,090-2141-3708

中国巨龙旅行社

03-6278-9625,070-8915-3287

株式会社JTB 

03-3988-8079,03-5956-6099

株式会社中外旅行社

03-3842-6380

エムオーツーリスト株式会社  

03-6658-4783

ビザまたは旅行代理店について不明な点があれば、管轄地域の中国ビザ申請サービスセンターに問い合わせてください。

まとめ

中国への渡航を希望する日本人は増えていますが、現在は中国に入国する際にビザ(査証)が必要になります。
就労であればZビザ、観光であればLビザなど、目的に合わせて適切なビザを取得しましょう。
個人で中国ビザを申請するにはハードルが高いと感じている方は、旅行会社に代理申請を依頼するのもおすすめです。

この記事の監修者プロフィール

欧米アジア語学センター編集部

ネイティブ講師を中心に、各言語100名を超える経験豊富なプロフェッショナル講師が在籍しています。 当校では、短期間で効率的に語学を習得していただく事を重視して、「わかりやすい日本語で、論理的に教える事ができる」事が講師に求められています。 特に英語以外の言語は、初めて学ぶ方が多く、習得まで与えられる時間が多くない事から必須のスキルだと考えます。また、受講者様のニーズをしっかりキャッチして、それをレッスン内容に反映する能力=コミュニケーション能力を講師に要求しています。 教授メソッドの再現性が求められる画一的・マニュアル的な大手スクールとは違う、オーダーメイドのスクールならではレッスンをご提供しております。