【就労ビザ】日本人が海外で働くために必要なビザの取得方法・必要手続き

日本人が海外で長期間働くには、基本的に就労ビザを取得する必要があります。 海外赴任をする人、海外で転職したいと思っている人など、目的によって就労ビザの種類や取得方法が異なるケースもあるでしょう。 今回は、海外で働くために必要な就労ビザの種類や申請方法について解説しています。アメリカのほか、中国や韓国、タイ、インドなどで働く予定の方はぜひ参考にしてみてください。

就労ビザとは?

日本から出国する際には、国籍と身分を証明するパスポートが必要です。さらに、国によっては入国時にビザ(査証)も必要になる場合があります。
ビザは入国目的や滞在期間によっていくつかの種類があり、なかでも就労ビザとは、働くことが認められたビザや滞在資格のことです。
就労ビザがないのに海外で働いたり、許可された範囲を超えて働いたりすると不法就労になってしまいます。罰金や強制送還、再入国制限といった処罰の対象となることもあるので注意しましょう。

よくある就労ビザの種類と条件

ビザの種類は国によって異なります。現地で働くために必要になる「就労ビザ」は、職種、経歴、年齢などによって、取得条件も細かく設定されていることが多いです。
また、日本の会社に所属している人が海外の勤務地で働く場合に該当する「駐在員ビザ」や「企業内ビザ」などもあります。働きたいと思っている国のビザについて、事前に調べておきましょう。
ちなみに日本の就労ビザは、以下の16種類です。

・教授(大学教授など)
・芸術(作曲家、画家など)
・宗教(僧侶、司教など)
・報道(雑誌記者、報道カメラマンなど)
・経営・管理(会社社長、役員など)
・法律・会計業務(日本の資格を有する弁護士、司法書士など)
・医療(日本の資格を有する医師、歯科医師、看護師など)
・研究(研究所等の研究員、調査員など)
・教育(小・中・高校の教員など)
・技術・人文知識・国際業務(理工系技術者、IT技術者、外国語教師、通訳など)
・企業内転勤(同一企業の日本支店(本店)に転勤する者など)
・介護(介護士など)
・興行(演奏家、俳優、スポーツ選手など)
・技能(外国料理の調理師、パイロット、スポーツ・トレーナーなど)
・特定技能(特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能/熟練した技能を要する産業に従事するもの)
・技能実習(海外の子会社等から受け入れる技能実習生、監理団体を通じて受け入れる技能実習生)

外務省|ビザ(就労や長期滞在を目的とする場合)より

海外8カ国(地域)の就労ビザ取得条件

日本人に人気のアメリカやアジア各国(地域)における、就労ビザ取得方法について抜粋して解説していきます。
また、申請条件は随時変更されることがあるので、実際に就労ビザの申請をする際には、それぞれの国の大使館・領事館のホームページなどで最新の情報を確認してください。

アメリカの就労ビザ

就労ビザの種類①:H-1Bビザ(高度専門職)
主な申請要件:専門知識を必要とし、一般的には学士号またはそれ以上の学位が必要。基本的には4年制大学以上の学位を有する者に適用される。職務内容がプロフェッショナル(Specialty Occupation)なものであること。学位と職務内容が一致することが条件。
就労ビザの種類②:L-1ビザ(駐在員ビザ)
主な申請要件:企業内転勤者。L-1Aは上級管理職、L-1Bは専門職と2種類ある。申請者は日本の親会社もしくは関連会社で1年以上の勤務経験が必要。

中国の就労ビザ

就労ビザの種類:Zビザ
主な申請要件:原則、大卒以上の学歴+ 2年の実務経験が必要。職歴、年齢、収入などをポイントにして合計ポイントから [ A・B・C ] 3つのランクで審査される。ビザの発給後、3か月以内に入国する必要があり、入国後は「外国人就業証」と「外国人居留許可証」の申請を行う。

香港の就労ビザ

就労ビザの種類:General Employment Policy など
主な申請要件:原則、大卒以上で同職種において3〜5年以上の実務経験があること。犯罪歴がないこと、香港人と同程度の社会保険付帯給付を受けることが必要。香港に180日以上滞在する場合、入境後30日以内に香港IDの申請が必要。

台湾の就労ビザ

就労ビザの種類:居留ビザ
主な申請要件:高校・専門・短大卒:社会人経験5年以上、4大卒以上:社会人経験2年以上。職務経験はこれから就く職種と同じ分野であること。就労ビザのほかに、労働許可が必要。

韓国の就労ビザ

就労ビザの種類①:D-7(企業内転職ビザ)
主な申請要件:企業内転勤者用ビザ。同ポジションで1年以上働いている必要がある。

就労ビザの種類②:E-7(特定活動ビザ)
主な申請要件:修士以上の学歴・大卒以上+ 1年以上の職歴・5年以上の職歴、いずれか一つを満たしている必要がある。就労ビザ取得の前に、就労ビザ発行許可(CCVI)が必要。

シンガポールの就労ビザ

就労ビザの種類①:EP(Employment Pass)
主な申請要件:専門職やマネージャー向けに発給される就労ビザ。4年制大学卒業以上の学位や専門スキル。学歴や職歴、年齢で決められた給与水準を満たす必要がある。

就労ビザの種類②:Sパス(S Pass)
主な申請要件:主に専門職や技術職以外に発給される就労ビザ。高校・専門・短大卒以上、実務経験など。

タイの就労ビザ

就労ビザの種類:Non immigrant Bビザ
主な申請要件:学歴不問、新卒可能、社会人経験なしでも可能。就労ビザのほかに労働許可が必要。農業・漁業などの39業種については外国人の就労禁止。

インドの就労ビザ

就労ビザの種類:Employment Visa
主な申請要件:大学新卒でも可能だが、社会人経験3年以上が望ましい。管轄の領事館により学歴や職歴/資格証明書の提出を求められることがある。

就労ビザの取得方法

就労ビザの申請要件や取得方法は国や地域によって異なり、また、諸々の事情で出入国管理制度の内容が変更になることもあります。
ここでは一般的な流れとして、海外の就労ビザを取得するための手順を確認していきましょう。

①企業から内定をもらう

就労ビザを取得するためには、海外での就職先が決定していることが前提となります。就職活動をするために、通常のビザで入国することも可能です。
就労ビザの取得にあたって、月収(年収)や学歴を審査することがありますが、外国人の受け入れを行っている企業からの内定が出ていれば、ビザの取得要件も満たしていると考えて良いでしょう。

②必要書類を用意する

その国や、取得したい就労ビザの種類によって必要書類は異なります。職務経歴書や卒業証明書、健康診断書などは内定の有無に関係なく準備ができるため、早めに用意しておいてください。一部の書類は、内定を出した会社側で用意するものもあり、時間がかかるケースもあるでしょう。

③申請する

内定と必要書類がそろったら、各国の大使館・領事館に就労ビザの申請をします。就労ビザ取得の手続きは内定者自身が申請するほか、内定先の会社が代行してくれたり、現地の専門家(代理人)に依頼できたりする場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
また、一部の国や地域では、就労ビザの申請を自国内のみで受け付けています。このような場合は短期滞在ビザやノービザで相手国に渡航し、現地で手続きを行うことになるでしょう。

まとめ

就労ビザの取得方法は、国や地域によってもさまざまです。海外で就職先を見つける場合と、日本の会社から転勤する場合とでは、違う種類の就労ビザを取得することになるかもしれません。
ビザ申請にあたって必要書類を用意する際、書類作成までに時間がかかる可能性もあるので早めに準備を始めましょう。
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この記事の監修者プロフィール

欧米アジア語学センター編集部

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