そもそもビザとは？
日本人が海外に渡航する際には、必ずパスポートが必要になります。また、渡航先によってはビザを取得しなければなりません。まずは、ビザとパスポートの違いを理解しましょう。
ビザ（査証）とは、事前に渡航先の国に申請し、審査を経て発行される「入国許可証」のようなものです。自国の安全を守るなどの目的で、渡航希望者の身元を事前に審査します。
また、ビザは国によってさまざまな種類があり、一般的に渡航目的や滞在期間によって「観光ビザ」や「就労ビザ」などに分けられます。
ただし、ビザはすべての国で必要なわけではありません。日本との交流が盛んで、入国にビザを必要としない協定を締結している場合は、パスポートだけで入国できます。
ビザとパスポートの違い
混同しやすい「ビザ（査証）」と「パスポート（旅券）」の違いをわかりやすく表にまとめました。発行元や目的を覚えておきましょう。
| 発行元 | 目的 | 取得方法 | |
|---|---|---|---|
| ビザ（査証） | 渡航先の国 | 渡航先の国・地域から発行される入国許可証。渡航先の国が自国の安全などを守るために、入国を許可した自国民以外の者に発給 | 一般的に、日本国内にある大使館・総領事館などに申請する。国や地域・ビザの種類によって、現地の空港などで取得する場合もある。 |
| パスポート（旅券） | 自国（日本の政府） | 自国から発行される身分証明書。自分の国籍や名前、年齢などを証明する | 住民登録をしている都道府県のパスポート申請窓口で行う。 |
パスポートがないと、日本国外に出ることはできません。身分を証明するものなので、海外旅行に出かけるときはパスポートの所持が絶対条件となります。
ビザは、渡航先・渡航目的・滞在期間などにより取得の要否や申請方法が異なります。ビザ取得に関する詳細は大使館（領事館）などへ問い合わせましょう。
日本のパスポートでビザが不要な国
日本国籍の者で有効なパスポートを持っていれば、海外旅行など短期間に渡航する際のビザが免除される場合があります。
国際航空運送協会（IATA）の2024年版データによると、日本は194の国・地域へビザなしでの渡航が認められています。これは世界1位の数で、日本のパスポートが海外から信頼されている証拠といえるでしょう。
【ビザ不要で渡航可能な国・地域】
| アジア | バングラデシュ、ブルネイ、カンボジア、香港、インド、インドネシア、カザフスタン、キルギス、ラオス、マカオ、マレーシア、モルディブ、モンゴル、ミャンマー、ネパール、フィリピン、シンガポール、韓国、スリランカ、台湾、タジキスタン、タイ、東ティモール、ウズベキスタン、ベトナム、パキスタン |
| 欧州 | ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フェロー諸島、フィンランド、フランス、ドイツ、ジブラルタル、ギリシャ、グリーンランド、ハンガリー、アイスランド、サンマリノ、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、ウクライナ、イギリス、バチカン市国、アルバニア、アンドラ、アゼルバイジャン、ジョージア、オーストリア、ベラルーシ、ベルギー、アイルランド、イタリア、コソボ、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、オランダ、マルタ、モルドバ、モナコ、モンテネグロ、北マケドニア共和国 |
| アフリカ | ボツワナ、カーボベルデ、コモロ、セネガル、ソマリア、南アフリカ、セントヘレナ、タンザニア、トーゴ、チュニジア、ザンビア、ジンバブエ、エジプト、エスワティニ、エチオピア、ギニアビサウ、モーリシャス、レソト、マダガスカル、マヨット、マラウイ、モーリタニア、モロッコ、モザンビーク、ナミビア、ルワンダ、サントメ・プリンシペ、レユニオン、シエラレオネ、ガボン、ブルンジ |
| カリビアン | アンギラ、アンティグア・バーブーダ、蘭領アルバ、バハマ、バルバドス、英領ヴァージン諸島、英領ケイマン諸島、蘭領キュラソー、セントマーチン島、ボネール、シント・ユースタティウスおよびサバ 、英領モントセラト、プエルトリコ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、トリニダード・トバゴ、タークス・カイコス諸島、米領ヴァージン諸島、ドミニカ国、ドミニカ共和国、グレナダ、ハイチ、ジャマイカ |
| 中東 | アルメニア、バーレーン王国、イラン、イラク、イスラエル、クウェート、レバノン、パレスチナ自治区、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーン |
| アメリカ・オセアニア 他 | 米領サモア、オーストラリア、クック諸島、アメリカ、アルゼンチン、ベリーズ、バミューダ、ボリビア、カナダ、チリ、コロンビア、ベネズエラ、コスタリカ、エクアドル、エルサルバドル、フォークランド諸島、仏領ギアナ、グアテマラ、ガイアナ、ホンジュラス、メキシコ、ブラジル、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、スリナム、ウルグアイ、フィジー、仏領ポリネシア、グアム、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア、ニュージーランド、ニウエ、ニューカレドニア、北マリアナ諸島、パラオ共和国、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツ |
ビザが必要な国は32カ国
日本のパスポート所有者は、多くの国や地域へビザなしでの渡航が認められていますが、以下の32カ国は原則としてビザの取得が必要となります。(2024年1月現在)
| アフガニスタン、アルジェリア、ベナン、ブータン、ブルキナファソ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、中国、コンゴ（民主党代表）、コンゴ（共和国）、コートジボワール、キューバ、赤道ギニア、エリトリア、ガーナ、ギニア、リベリア、リビア、マリ、ナウル、ニジェール、ナイジェリア、北朝鮮、ロシア連邦、南スーダン、スーダン、シリア、ガンビア、トルクメニスタン、ウガンダ、イエメン |
※ギニア、ロシア連邦、ウガンダは電子ビザ
ビザ以外に必要な入国条件のある主要国
日本のパスポートを所持していればビザが不要になる場合でも、電子渡航認証が必要要件となっていることもあります。
【国・地域別 電子渡航認証】
・アメリカ：ESTA（エスタ）
・カナダ：eTA（イータ）
・EU加盟国：ETIAS（エティアス）※2024年より必須
・オーストラリア：ETAS（イータス）
・韓国：K-ETA（ケーイーティーエー）※2024年12月31日までは90日以内の滞在に限り取得不要
渡航先の入国要件は、最新情報を必ずチェックしましょう。
まとめ
日本人が海外旅行へ行く際には、パスポートと合わせてビザが必要な国があります。パスポートは日本政府が発給しますが、ビザは渡航先の国によって種類や取得要件が異なるため事前に確認するようにしましょう。
日本のパスポートがあれば190カ国・地域へビザなしで渡航することができます。ただし2024年現在、32カ国・地域ではビザの申請が必要です。そのほか、ビザが不要でも電子渡航認証が求められることもあるので、スケジュールに余裕を持って準備を進めてくださいね。
この記事の監修者プロフィール
欧米アジア語学センター編集部
ネイティブ講師を中心に、各言語100名を超える経験豊富なプロフェッショナル講師が在籍しています。 当校では、短期間で効率的に語学を習得していただく事を重視して、「わかりやすい日本語で、論理的に教える事ができる」事が講師に求められています。 特に英語以外の言語は、初めて学ぶ方が多く、習得まで与えられる時間が多くない事から必須のスキルだと考えます。また、受講者様のニーズをしっかりキャッチして、それをレッスン内容に反映する能力＝コミュニケーション能力を講師に要求しています。 教授メソッドの再現性が求められる画一的・マニュアル的な大手スクールとは違う、オーダーメイドのスクールならではレッスンをご提供しております。
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