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海外赴任に選ばれる人はエリートで高収入なの?
結論として、海外赴任や海外駐在員に選ばれる人は、エリートコース(出世街道)に乗る可能性が非常に高いです。
そもそも企業が海外赴任を依頼するのは、以下の理由が考えられます。
・将来に期待できる社員は、海外で成長して帰国後に活躍して欲しい
・即戦力になる中堅者員に、現地の従業員をまとめるリーダーになって欲しい
・優秀なベテラン社員なので、海外で経営者層として働いて欲しい
これらの理由で海外赴任を任命された場合、エリート社員であり高収入が見込まれるでしょう。
ただし、必ずしも優秀だから選ばれているわけではないケースもあります。
海外支店の人手不足だったり、人よりも英語スキルがあったりするだけで、都合の良い人材として充てがわれている場合もあるのです。
出世につながる海外赴任かどうかを見極めるには、海外赴任が人事評価制度の対象になっているか、会社が注力しているプロジェクトの拠点となる国への赴任か、役職が上がる海外赴任かなどのポイントを確認してみてください。
海外赴任のやりがい・メリットとは
「海外赴任に選ばれたら出世できる!」と思う方もいるかもしれませんが、言葉も文化も異なる国に飛び込んでいくため、現実的にはつらく感じることも多いです。
しかしその分、仕事の面ではとてもやりがいがあり、異国の地で多種多様な人たちとプロジェクトをやり遂げることで大きく成長できるでしょう。
それでは、海外赴任のやりがいとメリットについて解説していきます。
世界の競合他社を相手にする
海外に出ると競合他社も外国の企業が相手となります。
例えば、自動車メーカーにおける海外赴任では、競合相手が日系企業とは限りません。ドイツ、韓国、アメリカ、フランスなどの企業が競合他社になります。
そして、国が違うと業界の当たり前も通用しなくなることも多いです。仕入れ方法や販売方法も異なります。
さらに細かくいうと、取引先や顧客も日本人ではないので、アプローチの仕方を変えなければなりません。
世界の競合他社を知ることができるということは、新しいビジネスの仕方を学べる機会が多いともいえます。世界に目を向けることで、自身の成長にもつながるはずです。
福利厚生や収入面で優遇される
海外赴任や海外駐在する前後で一番変化するのは、福利厚生やお給料などの待遇面です。
一般的に、海外渡航後のお給料は日本のお給料の1.5〜2倍ほどといわれます。さらに、家賃の補助や車の支給などがあることも。
お給料が増える主な理由は、さまざまな手当が支給されるからです。
【手当の種類】
・海外赴任手当
・危険地手当
・家族手当
・家賃手当
・自動車手当 など
また海外居住者には、所得税や住民税の納付義務がないため手取り収入が増えることもあるでしょう。
ハイレベルなマネジメント能力が求められる
日本ではただの営業職や一般社員だったとしても、海外赴任先ではマネージメント職となる場合もよくあります。
日本で働いていたときに持っていた決定権と比べると、遥かに大きな職権を有することになるため、おのずとマネージメントを行う機会が増えるでしょう。
また、日系企業の海外支社や工場勤務となると、会社の規模が小さいことがあります。
会社が小さいと組織が細分化されておらず、一人でいくつもの部署の仕事を行うことになるのです。
赴任後は本来の業務に加えて、本社とのやりとりが増えたり、職責の範囲が一気に広がるかもしれません。
しかし管理業務(マネジメント業務)がメインで、自分自身で業務を実行するのではなく、うまく部下に指示を出して回せるようになるでしょう。
このように、未経験の部署の仕事まで関わることができ、人をまとめ上げるスキルが向上するのもメリットです。
異文化を理解できるようになる
異文化を理解するメリットは、自分とは違った文化を見聞き理解し、柔軟に受け入れる能力や知見を持てることです。
外国で仕事をしながら生活するには、その国の文化や習慣を理解し受け入れることが大切になります。
国によっては、仕事よりも家庭や宗教を優先する文化があることもあるでしょう。
例えば、イスラム教徒の多い国では、1日に5回お祈りの時間があり、業務時間内であっても例外ではありません。
他にも、家庭を優先して残業を断るのが普通の国、アポイントの時間に平気で遅れる国など、文化の違いによって日本の当たり前が通用しないことは日常茶飯事です。
異文化理解は相手の文化や習慣を深く理解することであり、ビジネスにおいて自分がうまく相手に合わせられる力が身につきます。
海外赴任に選ばれる人の特徴7選
海外赴任ではやりがいを感じられ、今後のキャリアを考えたときにも沢山のメリットがあります。
しかし、誰もが望めば選ばれるわけではなく、限られた社員しか挑戦できません。
海外赴任に選ばれる人の7つの特徴をご紹介するので、ぜひ確認してみてください。
①英語などの外国語に対して抵抗が少ない
現地企業の外国人相手に商談をするような職場であれば、高い語学力が必要です。
また、現地スタッフと一緒に業務を行う場合にも、コミュニケーションをとれる程度の語学力は身につけておきましょう。
グローバルな環境で業務をすすめるためには、周囲と協力するための高いコミュニケーション能力が求められます。
たとえ完璧な英語力がなくても、積極的にコミュニケーションをとろうとする姿勢が大切です。臆することなく会話を続けていれば、自然と語学力は身につくでしょう。
これから海外赴任のポジションを掴み取りたいと考えている方は、社内で積極的に英語を使えることをアピールしてみてもいいかもしれません。
過去に海外留学や海外勤務をした経験があれば優位に立てるはずです。
②日本での仕事において結果を残している
海外赴任に選ばれる人は、すでに会社側からある程度の評価を得ていることが大前提です。
まず、報告・連絡・相談やビジネスマナーなどの基本的なスキルは最低条件です。
それ以上に日本での業務において、プロジェクトを成功させたり利益を増やしたりすることを目指しましょう。
常日頃から仕事に全力投球ができている人は、海外赴任をしても全力投球で頑張ってくれると思われます。
③海外に繋がりのある部署に所属している
グローバル企業や日本企業において、海外と繋がりの強い部署に所属していれば海外赴任に選ばれやすくなります。
海外赴任や海外駐在に選ばれやすい部署には、「経理・営業・生産管理・通訳・エンジニア」などがあります。
業種でいうと、自動車系や電機系のような製造業や、流通に携わる航空業や海運業、商社・銀行などが多いでしょう。
特に、これまで自動車や半導体、電子部品、衣料品などを製造しているメーカーにおいては、生産コストや人材コストなどの面から海外工場を移転してきました。
日本企業の海外工場では、品質を担保するために日本で管理経験がある人材が必要不可欠です。
豊富な実務経験を持ち、現地スタッフの育成を任せられる人材が求められています。
④環境変化や異文化への適応能力がある
海外赴任においては言葉や文化が異なる国で働くことになるため、環境への適応力が必要となってきます。
日常生活やビジネス上、日本では当たり前のことでも海外では通用しないこともたくさんあるでしょう。
食事や気候の違い、社会のルール、コミュニケーション方法など、細かくあげればきりがありません。
環境の変化に弱くストレスを抱えやすい人は、海外赴任中に鬱になったり退職したりすることもあるのです。
心身ともに健康であることは海外赴任の必須条件といえます。
海外赴任に選ばれる人は、新しい環境でもすぐに馴染めて業務もスムーズに進めていける、柔軟性のある人が多いでしょう。
⑤クリエイティビティな思考を持っている
クリエイティビティとは創造性を意味し、ビジネスにおいては新しいアイデアを出せたり新しい状況を作り出せたりする能力のことです。
会社が海外へ投資をして新規事業を立ち上げることも多く、海外赴任時にゼロからのスタートになることもあります。
そういった状況では、しっかりとした意志を持っているクリエイティビティのある人が適任です。
日本とは違い、海外では思うように業務が進まないことも頻繁にあります。
そのような場面で新しいアプローチをして軌道修正ができる人は、海外でも業務をやり遂げることができるのです。
クリエイティビティの有無については、マーケティングスキル・マネージメントスキル・事業の立ち上げ経験の3つに自信があれば、海外赴任に求められる能力を満たしているといえるでしょう。
⑥会社から期待されている
海外赴任や海外駐在に選ばれる人の多くは、会社から期待されている社員です。
そもそも海外に社員を一人送り出すためには多額のお金が必要になります。つまり会社側は、海外赴任を任命する社員に対して投資しているともいえるでしょう。
また海外赴任中は、現地での様子や仕事の報告を国内の上司にすることもあります。
大きなプロジェクトであれば、国内にいる経営者層が会議に同席していたり、現地に赴いて対応してくれるケースもあるかもしれません。
会社からの期待を背負えるだけの、責任感のある人物が選ばれやすいです。
⑦自ら決断して物事を進める力がある
海外赴任中、誰かが仕事を一から十まで丁寧に教えてくれることはほとんどありません。
新しいことを始めるにはどこから手をつけるべきか、人脈をゼロから作るにはどうしたらいいのか、突如起こったトラブルにどう対処すればいいのかなど、さまざまな困難に立ち向かうための決断力が必要になります。
また、日本では業務マニュアルの配布や研修を受けてから仕事を始められることが多いですが、海外では日本ほど丁寧な指導を受けられません。
そのため、「教えてもらう」というスタンスで勤務すると苦労します。
海外赴任中は仕事をやりながら覚え、うまくいかなかったら改善するようにしましょう。
出世を視野に入れた海外赴任に必要なこと
海外赴任に選ばれるということは、それだけ優秀な社員であると言っても過言ではありません。
そのため、出世を視野に入れた海外赴任に必要なポイントをご紹介します。
英語や現地語の語学力を高める
最も必要になるのが語学力です。海外赴任では、現地で使用する語学力が高ければ高いほど安心して仕事に打ち込め、日常生活でも困りません。
海外赴任の経験者たちによれば、「語学力がなくて誤解されてしまった」ということもよくあるようです。
そもそも、海外赴任に選ばれるための社内選考として、語学力を評価する企業がほとんど。
特に多くの地域で使われている英語を例にあげると、海外赴任に必要な英語力の一つの基準として「TOEIC」を採用している企業が多く、5~6割以上の企業がTOEICのスコアを海外赴任者選抜の参考にしているとされています。
なかにはTOEIC800点以上を基準とする企業もあるなど、語学力の高さが海外赴任に選ばれるために重要であるのは間違いありません。
さらに、実際に聞いて話せる能力を高めておきましょう。
いくら記述でいい点を納めていても、赴任先ではリアルな会話が普通になります。マンツーマンのレッスンを受けて、リスニングとスピーキングの練習をしておくのがおすすめです。
また、英語以外に得意な言語があり、活かしたい方も海外赴任が決まる前から、スキルアップのため努力をしておきましょう。ビジネスの主軸は英語といえど渡航先の言葉を使えることでローカルの方々からの信頼度は大幅にアップします。企業側もそのような人材を欲しがる傾向があるので、具体的に渡航が決まる前の努力が重要になります。
※渡航先でのミッションによりますが、CEFRのB1レベル以上のレベルになる事を目指しましょう。
まとめ
海外赴任のやりがいやメリットについて紹介してきました。
海外赴任に選ばれる人は、会社から活躍を期待されて送り出されるケースがほとんどです。
そのため誰もが任命されるのではなく、英語力に長けていたりマネジメント能力が高かったりといった特徴があります。
海外赴任先で困らないためにも、今のうちから英語や現地語のスキルを磨いておきましょう
この記事の監修者プロフィール
欧米アジア語学センター編集部
ネイティブ講師を中心に、各言語100名を超える経験豊富なプロフェッショナル講師が在籍しています。 当校では、短期間で効率的に語学を習得していただく事を重視して、「わかりやすい日本語で、論理的に教える事ができる」事が講師に求められています。 特に英語以外の言語は、初めて学ぶ方が多く、習得まで与えられる時間が多くない事から必須のスキルだと考えます。また、受講者様のニーズをしっかりキャッチして、それをレッスン内容に反映する能力=コミュニケーション能力を講師に要求しています。 教授メソッドの再現性が求められる画一的・マニュアル的な大手スクールとは違う、オーダーメイドのスクールならではレッスンをご提供しております。